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ごまめ、マイクロチップを装着する

人生の半分近く、私のそばには猫がいる。初めて飼ったがじらは20年生きたうえに、猫の皮をかぶった人間のような性格でだったので、死んだときには、親が死んだときより悲しいと言う人の気持ちがよくわかった。今の2にゃんは多頭飼いの2代目。20世紀猫の先代2にゃんのときは、猫がこんなに人気のペットになるとは思わなかったし、猫向けより犬向けサービスのほうが圧倒的に多かった。時代は変わるものである。

21世紀猫たちも、ひなたは13歳、ごまめが12歳と、立派なおばちゃんの年齢になってきている。とくに、ごまめは慢性腎臓病を発症し、ラプロス投薬で治療中だ。先代のときは、ラプロスがなかったので、皮下点滴でしか延命できなかった。ごまめは一時、危ういところまでいったけれど、若かったこともあったのか、集中的な点滴で数値が改善。それ以降はラプロスの投薬だけで体重も戻り、病気の発覚前と同じ暮らしができている。

今日は1カ月に1度、動物病院に行く日。症状が安定しているので、ここ数ヶ月は薬だけをもらいに行き、本にゃんは連れて行かなかったのだけど、暖かくなってきたし、久しぶりに先生に顔を見せようと連れて行った。

動物病院の受付で待っている間、目に入ったのが、マイクロチップの装着を呼びかけるポスター。「そうだよなぁ、今の子たちは毛が抜けるくらい跡が残るから、首輪をしていない。災害も増えているし、万が一のために考えるか」と思って、先生に聞いてみたら、「やる?」と即答。机の引き出しから、すぐにマイクロチップが入った専用の注射針を持ち出した。

うちの先生は、超名医で手技はスピーディー。絶大に信頼しているのだが、コミュニケーションは丁寧ではない。剛速球をビシバシ打ち合っているような会話が通常営業。そこも気に入っている。

そんな先生なので、「マイクロチップって装着したほうがいいんですかねー?」と聞いてから、5分も経たないうちに、ごまめにはブスッと一瞬の注射でマイクロチップが装着された。注射を打ったのは、首と背中の間。皮下点滴をするときと同じ場所だ。猫は首のあたりの皮をぶにゅっと持ち上げると、お肉との間に空間がある。先代猫のがじらに、ほぼ毎日、皮下点滴をしていたので、おなじみの場所だった。

認識番号のシールを貼った装着証明書をもらって、動物病院での施術は終了。その後、自宅で飼い主情報を登録する。完全室内飼いなので、災害時の万が一以外は使うことはないだろうし、使わないで済んで欲しいと願っている。ちょっと淋しかったのは、登録サイトに死亡届も出す必要があることだ。マイクロチップ登録制度は、犬猫の戸籍みたいなものなのだ。

まったく知らなかったのだが、登録サイトは日本獣医師会が管理しているけど、環境省の管轄だった。知ってしまえば、確かにそうかも、と思うけど、検疫や動物由来感染症は厚生労働省の管轄なので、マイクロチップ登録制度も厚労省と思い込んでいた。人間に影響するものは厚労省、自然保護に関するものは環境省なのだろう。縦割り行政っぽい気もするが、だからといって、不満があるわけではない。

仕事に関するもの、仕事に関係ないものあれこれ思いついたことを書いています。フリーランスとして働く厳しさが増すなかでの悩みも。毎日の積み重ねと言うけれど、積み重ねより継続することの大切さとすぐに忘れる自分のポンコツっぷりを痛感する日々です。