サヨナラCOLOR

『サヨナラCOLOR』(2005年 日本 監督:竹中直人 主演:竹中直人 原田知世)

《あらすじ》
「SUPER BUTTER DOG」の名曲「サヨナラCOLOR」を元に作られた作品。
佐々木広平(竹中直人)は地元の病院に勤める医師。
ある日、公平が勤務する病院に高校の同級生で初恋の相手の笈川未知子(原田知世)が入院して来る。未知子との再会に浮かれる公平だったが、未知子は公平のことをすっかり忘れていた。
未知子にはすでに有名なスタイリストの鈴木雅夫(段田安則)という恋人がいたが、公平の未知子への想いは高校生の頃からずっと変わらず、公平は看護師や他の患者から苦情が来るほどに未知子の病気の治療に没頭するのだった。 

《感想》
病室でアルコールランプを使っていることを看護師から注意されてもしれっと使い続ける未知子。そのことを未知子に注意できない主治医の佐々木。あの場面を見ていると「原田知世は女友達がいなさそうな役がよく似合うなぁ」と思います。

自分から「欲しい」とか「助けて」とか言わなくてもいつの間にか男性が現れて助けてくれているという、決して 本心を口に出さないけど自分のやりたいことは絶対にやるというあのしれっとした頑固な感じ。あぁ、まさに「原田知世」だなぁと思うのです。

子どもの頃、何かの番組に原田知世がゲスト出演していた時に男性出演者たちが異常にデレデレしているのを見て「何でこんなモンチッチみたいな人に、男の人はデレデレしているのだろう?」と不思議でたまらなかったのですが、大人になった今では「結局、原田知世みたいな女性が最強なんだな」と理解できます。

公平が最終的に未知子(原田知世)と聖子(中島唱子)のどっちに心を許しているのかと言えば、聖子だと思うのですが「汚れないマドンナ」としての未知子と「何でも許してくれる母親」のような聖子。両方とも公平には必要な存在で、結局はどちらか一人なんて選べないんだろうなぁ。身勝手だなぁ。なんて思ったりするのです。

と、いう感じで、「男のロマン」的なストーリーに多少イラッとしながらも、原田知世さんの透明感と映像全体の海をベースにした透明感と可愛い音楽が心地よいのでついつい何度も観てしまう作品です。

忌野清志郎さん、中島みゆきさん、田島貴男さん、斉藤和義さん、原田郁子さん、浜崎貴司さん、高野寛さん、主題歌を歌う長積タカシさんなどなど、たくさんのミュージシャンが隠れキャラのように出演されているのもこの作品の楽しみのひとつ。
そしてエンディングに流れる「サヨナラCOLOR」の歌詞。永積タカシさんと忌野清志郎さんの「サヨナラからはじまることがたくさんあるんだよ」という歌声が、ストーリーと重なってグッとくるのです。

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