チョルベン

『なまいきチョルベンと水夫さん』(1964年スウェーデン)原作:アストリッド•リンドグレーン 監督:オッレ•ヘルボム

《あらすじ》スウェーデンの避暑地“ウミガラス島”に住む女の子チョルベンは、ある日漁師のヴェステルマンからアザラシの赤ちゃんをもらう。
チョルベンたちはそのアザラシに“モーセ”という名前をつけて、みんなで大切に飼うことにしたのだが、アザラシが高値で売れると聞いたヴェステルマンが突然「アザラシを返してくれ』と言い出して、島は大騒動に。

太っちょの女の子チョルベンとチビですきっ歯のスティーナ。

2人はルックスも性格も決して模範的な「良い子」「かわいい子」ではないのですが(大人に向かって平気で「地獄に堕ちろ」とか言うし)何とも説明できない愛らしさがあります。

特に、2人が道で見つけたカエルを「魔法をかけられた王子様」だと信じてキスをしたり、船に乗って現れたペーテルを「カエルの魔法がとけた王子様」だと思い込んだりと、小さな頃の女の子独特の妄想をしている様子はなんとも懐かしくて可愛いのです。

そして、突然キスをされり突然嫌われたり、女の子の勝手な妄想に振り回されるペーテルがなんとも気の毒で面白い。

王子様に憧れながらも「稼ぎがいいから王子様よりも配管工と結婚したい」などと妙に現実的なところも、女の子をリアルに描いているなぁと苦笑してしまいます。

ウミガラス島の自然の美しさや、チョルベンのお母さんたちの上品なファッション、おじさんたちのオシャレな服装、人と動物が共存して生きることの楽しさと厳しさなど、色々な視点から楽しめる作品です。

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