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陛下、そろそろ京都へお帰り下さい

    天皇陛下をはじめ、皇室ご一家がお住まいになる皇居。徳川幕府代々の将軍の居城だった江戸城こそ、皇居の建てられている場所なのだが、みなさんはご存じですか?



    武家の居城に天皇がお住まいになるというミスマッチ。違和感を抱くのは私だけか。「天皇陛下万歳」と叫ぶ右翼も、この不可思議に異を唱える輩はなぜかいないのである。



    皇室が京都に遷都されて以来、ずっと京都に天皇はいらっしゃった。鎌倉や室町、江戸に幕府が移っても、京都にお住まいの天皇の権威は衰えなかった。天皇と武家とはくらいが違うのである。



    そもそも、天皇が東京に住んでらっしゃるのはなぜか?明治元年(1868)、明治天皇が江戸城に入城したのは、東京と改称されてから約2か月後のこと。その時点では、江戸城が皇居になると発表されたわけではなかった。



    天皇の住まいが、京都から東京に変わることを発表したら、京都市民の猛反発にあうことは必至。そのため、新政府は天皇が地方へ外出する「行幸」という名目にして、明治天皇を江戸城へ迎え入れたのだ。 つまり、どさくさ紛れで東京に天皇を引っ越させたわけである。


    以来150年あまり。時代が令和となったいま、そろそろ天皇陛下には、長らくお住みになった京都に帰っていただきたい。皇室をこよなく尊敬する立場から申し上げた次第である。


    
    
    
    

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