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雑記1 最近観たホラー映画ーー「遊星からの物体X」「ディセント」「アス」「ゲットアウト」「チェンジリング」ーー

 「遊星からの物体X」はかなり面白かった。9点を進呈したい(10点満点で、5点が普通くらい)。この作品に出てくるモンスターの造形や形態が可変的な点、異星人が人間を乗っ取るという設定は「寄生獣」にかなり影響を与えているように思う。まあ、完全版での作者コメントによれば、「寄生獣」のパラサイトは、宇宙生物ではないらしいが。
 「ディセント」も良い。8点くらいか。好みだし、9点でも良いかもしれない。暗闇の中で、視覚を持たない、聴覚頼りの異形な人間達とバトルする作品。主人公たちは、敵を倒しつつ、巣穴となっている洞窟から脱出を目指す。話の大枠や設定は、「ドントブリーズ」や「クワイエットプレイス」に引き継がれているが、この作品は、人間の業や愚かさなども描かれており、後の二作よりおもしろい。Twitterのオールタイムベストだと「ドントブリーズ」より下位だったが、知名度が低いせいで、票数が伸びなかったのだろう。ちなみに典拠はソニー・ビーン一族であろう。
 「アス」と「ゲットアウト」は、同じ監督ということでまとめて観たが、まあ、後者の方が良いか。「アス」は殺し合っている時間がメインで、なにやらアクション映画的でもあるし、設定がいまいち納得いかない。とはいえ、「ゲットアウト」もまあ、無理矢理なネタではあるが。双方とも7点くらい。「ゲットアウト」の催眠術を用いて人格を移し替えるというネタ(正確には外科手術もしているが)は、「この子は邪悪」に継承される。また、「この子は邪悪」では、八の字を宙に書いて催眠術をかけるのだが、手のモーションが重要な点は、「CURE」の影響か。こちらではバツの字を書く。
 Time Out誌が2016年に発表した、ホラー映画のオールタイムベストには、「消失」と「羊たちの沈黙」が入っているが、これはどちらもホラーではないんじゃないか? ホラーたるには、やはり人の怖がるシーンや死に追い詰められるシーンが必須で、それが大半を占めなければならないと思うが、両作はどちらも少なく、むしろ謎解きや犯罪の経緯に尺を取っている。そういった作品は一般にミステリー、ないしはノワールと呼ばれると思うのだが。面白くはあったが、カテゴリーミステイクだと感じざるを得ない。
 「チェンジリング」(1979年カナダ製作のもの)もなかなかよい。7点か。幽霊の姿がない、ポルターガイストをメインとした映画で、こちらも謎解きが話の主軸だが、先に挙げた作品と違って、怪奇現象の描写が大半を占める。呪いを引き起こす幽霊は死体を見つけてもらいたがっており、無事、主人公がそれを発見するのだが、そのために枯れた井戸を掘ることとなる。井戸の下に眠る死体といえば「リング」が有名で、恐らく「チェンジリング」を参考にしたんだろう。こちらも貞子の死体を掘り当てている。また、父親に殺された子供の怨霊、という点も似ている。あと、あまり関係なさそうだが、名前も。

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