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別班というより残飯我がスキル

【『VIVANT』推ッス記念・番外編】

※この記事はフィクションです。ほとんどしょうもない親父ギャグです。

《新番組》
深夜ドラマ『ZANPAN』

残念な別班」略して「残班」と霞ヶ関の各省内で揶揄されている官僚たちがいた……!

 主演は、キングオブ顔芸『課長バカ一代』の尾上松也。
 共演は、歌舞伎繋がりで『VIVANT』のパパ活部長役の市川猿弥(残班ズ班長役)、対テント作戦の別班最高齢(たぶん)官僚役の市川笑三郎(主人公のライバル役)。そして「うッス」言葉に定評のある森迫永依(残班ズ最年少とりあえず紅一点役)。

《イントロ》

 昨今、霞ヶ関では、有能な若手官僚がどんどん民間に転職して、人材の流出、人手不足が問題となっている。人材の流出を食い止めたい。だが、出てっいって差し支えのない――いや、是非とも出て行っていただきたい人材が出て行かない。それがやることなすこと失敗ばかりのピント外れ。だが、ギリで懲戒免職にならないくだらないミスやドジばかりで追い出すこともままならない。これが、霞ヶ関のお荷物、通称『残班』と呼ばれる者たちだ。

どうしてこんな残班人材が国家公務員上級試験に受かった⁉
 「全問鉛筆転がして全正解」
 「張ったヤマが全部当たった」
 「受験の神が降りてきた」……え?

 ところが、ある日突然、そんな彼らに白羽の矢が立った。
東北のある地方が突如、日本国からの独立を宣言した。新国家の名は「桐桐(ぎりぎり)共和国」
 たまげた日本国政府は、各省庁から集められた残班たちに、桐桐共和国へ潜入して内情を密かに探り、独立を阻止せよと命を下した。
 ――まあ、失敗しても痛くない人材だし。うまくいけば儲けものだし。
 霞ヶ関は、諸手を挙げて彼らを送り出した……!
 果たして残班ズは、使命を成し遂げられるのか? 生きて霞ヶ関に戻ってこれるのか? 戻れたとして、彼らの席はあるのか?

《ストーリー》

第1話 白羽の矢

 霞ヶ関のお荷物「残班」たちに突然、重大任務が下された。突如独立を宣下した東北のある地方に潜入調査を命じられたのだった。
最年少「えー、わたし、生まれはハワイ、育ちは東京で、東北弁なんてわか    らないッス」
主人公「心配するな。俺、出雲の出身だから。ズーズー弁は任せろ
   (ドヤ顔)」
最高齢「そうなんだ。君ぃ、頼りになるなぁ」

第2話 合い言葉

 桐桐共和国への潜入を命じられた残班ズ。呑気に登山ルックで国境に現れ、国境警備員に阻まれる。
警備員「ゴミは?」
最年少「(小声で)合い言葉ッスかね?」
主人公「投げる。(小声で)これくらいはリサーチ済みだ」
最年少「(小声)さすが先輩」
警備員「どごさ」
主人公「へ?」
最高齢「(こりゃあかんわ。とりあえず逃げよう……)た、待避ぃ!」
警備員「良ッス、んだば通れ」
残班ズ「⁉」

第3話 マルチリンガル

 残班ズは何やかやで桐桐国に居着くことに成功する。最年少は語学留学生として、最年長は流行のお試し移住として、主人公はワーキングホリデーとして。一般的なワーホリ年齢をさくっとオーバーしている彼だが、平均年齢が高く、日本国と同じく人手不足であるため桐桐国のワーホリ年齢制限が50歳までなので余裕だったのである。
 さて、やっぱり何やかやで、桐桐共和国外務省の職員たちとうまいこと知り合った残班ズ。
職員1「私は、桐桐語のほかに日本語、関西語、名古屋語が話せます」
残班ズ「おお! マルチリンガルか」
職員2「ワタシは、桐桐語と日本語とフランス語、あとアラビア語。母がア   ルジェリア出身なので。で、こっちの彼女は……」
職員3「マンダリン――いわゆる中国語とモンゴル語、ハングルも少し話せ   ますね。両親ともに中国出身で、父が内モンゴル生まれ、母が満州族   だったので」
職員1「まあ、桐桐国の国民は、みな桐桐語はもちろん、日本語はネイティ   ブレベルだから。ナチュラルに全国民バイリンガル」
主人公「す、すごい……国民みなインテリなのか……」
最年少「ち、ちょと、日本、ヤバくないですか?」
最高齢「負けそうだな。いろいろと」

第4話 面いらず

 残班ズが暮す地域の祭りが近い。祭りでは、地域の伝統芸能である鬼剣舞が毎年、演じられる。ところが、鬼の面が一つ見当たらない。
自治会長「いや、まんつ。何じょすべ」
 困った自治会長が自宅縁側で残班ズが呑気に婆さんの自家製梅干しを食っている姿が目に入る。
主人公「すっ!」
 思い切り「鬼すっぺぇ・・・・・」顔になる主人公。
自治会長「おお! 『面いらず』だ。こったなどごさ面いらずが……
     お面っこねくてもそのまま鬼っこだべ」
 かくして、主人公は「鬼すっぺぇ」顔を維持したまま、剣舞を踊ることになる。

第5話 宿命のライバル

 桐桐国民の中にすっかり溶け込んだ残班ズ。任務も忘れがちになっていたところに、一人の人物が立ちはだかった。
ライバル「久しぶりだな」
主人公「あ! お前は」
 霞ヶ関にいたころ、主人公と残班度1、2位を争った宿命のライバルがそこにいた。
主人公「貴様、国を裏切ったのか」
ライバル「何を言う。俺は移民して、今は正真正銘の桐桐国民だ。俺の国は    ここだ。お前こそ、俺に勝てなかった嫌がらせをするために、俺を    こそこそと追ってきたのだろう。執念深い奴だ」
類は友を呼ぶ。ライバルも呼ぶ。同族嫌悪であった。

最終回 ZANPANおれたちの道

美女「残飯だってもよ、堆肥さ投げれば発酵して、畑の肥料になるべ。無駄   でねぇ。残飯は価値ある。残飯が人ならば、残飯の人生っともんよ」
残班ズ「!」
 
 ゴミは捨てるんじゃなくて、堆肥に投げ(入れ)るんですよ。リサイクル。エコ。持続可能な社会。SDGs(違う)。
 桐桐共和国のネタは、井上ひさしの小説『吉里吉里人』です。若い人は全然知らないと思います。古い人でも覚えている人はいるかな?

以上、終わりっ! おそまつ様でした。


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