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インタビュー後記・園田圭吾さん(選曲家・録音エンジニア)

ありまさが開店してまだ間もないころ、
「このあたり毎日散歩しているんですけど…お蕎麦は健康にいいですよね?
ここは無添加だっていうし…」

園田さんがふらりと立ち寄って下さったご縁で、お話させて頂くようになりました。

せいろをサラッと…という粋なお客様
2010年撮影

インタビューでは触れていませんが、園田さんはご自身の健康管理にも気遣う方です。よく歩き、食べるものを選び…。
というわけで出会いのきっかけは
「健康的なお蕎麦」
でしたが(お蕎麦屋さんで良かった~・笑)、お話してみたら音楽・音響の専門家、それも3代目。音楽マニアの店主は興味津々で、その後はスタジオ見学をさせて頂いたり、スタジオでちょっとしたライブをさせて頂いたり、ご家族皆さんによくして頂いていますm(__)m。

私は器楽部・吹奏楽部にいましたし、ラジオをよく聞いて、少ないお小遣いでCDを買って…というまあまあの音楽好き。
それでも普段何か聴くときに
「これはどうやって録音したんだろう?」
なんて考えたこともありませんでした。
でも園田さんに
「どこに集音マイクを置くかで全然違いますよ」
と教えて頂き(実際に聞いてみたら私のような素人でもわかりました! 本当に全然違うのです)
また一つ音楽を聴く「愉しみ」が増えました。増えたというより…、深まりました。

音楽は、歌を作る人(作曲家・作詞家・歌手やバンドなどの演奏者)だけでなく、録音エンジニア、アレンジャー、プロデューサー…実際の「音」を発していなくても、いろいろな仕事が作品を作り上げています。
音楽を聴くということが、まるで変幻自在の素敵な建築物を訪ねるかのようにも感じられ、建物の持つ空気感につつまれると、沢山の人の思いが響き合っているのがわかります。

そして建築物がその真価を発揮するのはそこに人が住み始めてから。
つまりリスナーの存在の大切さ。どう聴くか、どこで聴くか、どう受け止めるかということもすごく重要なんだなと、改めて考えさせられました。
沢山の人が、情熱とセンスの結晶のような珠玉の名曲を作っても、聞き手がそれを聞き漏らしていたら…すごく勿体ないですものね。

最近はストリーミングなどでどんどん、どんどん音楽を聴き流すことが出来ます。安価で沢山楽しめるからファストミュージックなんて呼ぶ人も…。その行為が「使い捨て」とまではいいませんが、大量の楽曲に触れて耳が養われるなど良いこともありますが、1曲をじっくりしっかり聞きこむということは少ないかもしれません。

でもそれって、逆に、
コスパ悪いんじゃない?
タイパ悪いんじゃない?

じっくりと丁寧に作られたものを、じっくりと丁寧に聞きこむ。
名画の前に立ち尽くすように、作った人達の思いや、時間を自分なりに味わう、噛みしめてみる。
その方がよっぽど沢山のものを得ることができるのでは…?
と思うことがあるのも確かです。
皆さんはどうお考えでしょうか…?

園田家は音の世界の縁の下の力持ち。
圭吾さんをインタビューさせて頂き、音楽の今、これからについて考えさせられました。
園田さん、今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。

当店のニュースレター「ありまさ あり〼」
2023年春号にご寄稿頂きました。


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