見出し画像

満喫、シンガポール10

マーライオン公園のあとは昼食の時間だ。日程表には飲茶、と書いてあったが、安いツアーだからどうせたいしたことない店に連れて行かれるんだろうと思っていた。それでも飲茶は大好きだし、シンガポールは華僑が多いので、まずまずなんじゃなかろうか、と思った。

ところが連れて行かれた店は、立派な佇まいで、前日チリクラブを食べに行った中華料理店より高級そうだ。聞けば、新丸ビルにも支店が入っている店だという。店の名前は四川豆花飯店という。
飲茶の基本は、読んで字のごとく、茶を飲むことだ。八宝茶という、8種類の素材が入ったお茶が、茶碗の中にセットされていて、そこにお湯を何杯でもそそいでくれる。菊やクコの実やナツメなどが入った茶碗は、見ているだけでも楽しい。
蒸した点心、揚げた点心、冬瓜スープ、チャーハン、ローストチキンなど、食べきれないほど料理が運ばれてきて、どれもとても美味しい。お酒は飲まず、お茶をどんどん飲むので、デトックスにもなりそうだ。最後に出てきたデザートは、店の名前になっている豆花だ。豆花というのは、豆乳を固めた温かいお菓子で、甘いシロップがかかっている。生姜と醤油でもかければ完全に豆腐だ。でもこれはこれでなかなか美味しいので、私は結構好きなデザートだ。飲茶では、これが割によく出てくる。
こうして昼食をすっかり満喫した。

昼食のあとは、マリーナベイサンズの展望台に登った。晴れている日でないと登れないので、この日のうちに登ってしまうのだという。ちなみに1月はシンガポールは雨季で、ときどきスコールが降る。
マリーナベイサンズの展望台には、前回も登っているのでたいして興味はなかった。しかし、一つ発見があった。
私はiPhone利用者なのだが、壁紙に、写真が自動表示されるサービスを使っている。過去私が撮影した写真の中から、iPhoneが勝手に選んで壁紙に表示してくれるのだ。ものすごいアングルでトリミングしてきたりするので、まるで自分がカメラマンになったみたいに、写真が上手になった気分になれる。とにかく、楽しくて気に入っている機能だ。
その壁紙によく登場する風景があって、たぶんこれはシンガポールだろう、と当たりをつけてはいたが、どこで撮影した写真なのか特定できていなかった(壁紙サービスは、どこで撮った写真かわからない時に、調べられないのが残念だ。あるいは調べ方があるのかもしれないが、私はやり方を知らない。だからどこで撮ったのかさっぱりわからない写真が、壁紙になっていたりする)。
ところがマリーナベイサンズに登って、その謎の写真が、前回ここの展望台に登った時に撮影した写真だということがわかった! これは結構嬉しかった。適切なたとえかどうかわからないが、会いたいと思っていたが連絡先を知らない昔の友人に、思いがけず再会した、みたいな気分だろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?