2024年3月8日 退職


【メモNo:123】

あなたから
送別会としてご飯に行けないか誘われた
私はそれを断った

次の日
仕事の引継ぎの相談をしながら
「10分程面談のお時間ください」って
付箋メモを渡した

面談で
ご飯に行けない事情を話した
あなたも
駄目なのはわかっていて
でも何もしないのは嫌だったと

あなたからは
辞めたいと思った一番の理由を聞かれた
これからずっと続けていくと考えたら
苦しくなった
それは、業務的なこともそうだけど
あなたとのことも

私は正直に
離れることが一番怖かったこと
これを乗り越えられたら最強なことを
伝えた
それは僕も同じだと言った

僕のことは時が経てば忘れられる
僕はこの職場にいる限り
hanaさんのことは忘れられない
そう言った

夕方
タイミングが合わなくて
私からのお礼の品は、直接渡せなかった



次の日、最後の日

朝一の少しの時間しか居ないと言っていたけど
夕方まで居てくれた

出かけ間際に
プレゼントを渡された

hanaさんと過ごした2年8ヶ月
あっという間だったのは
楽しかったからだと思う

hanaさんと会えてよかった
一緒に仕事できてよかった
成長させてもらったし
僕も仕事…じゃなくて人生がんばります!

そう言って握手をして
出かけていった

あなたに
初めて触れた
あんなに触れたくて仕方なかったあなたの手は
少しひんやりした

「行ってらっしゃい」は言えたけど
もう「お帰りなさい」は言えない




あなたにもらった
たくさんのもの


今度は私が誰かにくばる番



本当に出会えてよかった

こんな素敵な〝さよなら〟があるなんて
知らなかった




桜が咲いたら
きっと、私を思い出して泣いてしまうと
あなたは言った

私も
泣いていいかな




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