海外旅行慣れしていないふたりが、新婚旅行でニュージーランドに行った話#3
国内線へ乗り継ぎ
無事にニュージーランドに入国できた私たち。
まずクライストチャーチ行きの国内線に乗り換えるため、無料シャトルバスで国内線ターミナルに移動する。
5分ほどで国内線ターミナルに着き、再度手荷物を預け保安検査を通る。既に入国しているので、ここの流れは日本と同じ。あまり困ることはなかった。
11:00にオークランドを出発し、クライストチャーチには12:30着の約1時間半のフライト。
国際線と違い、機内アナウンスは全て英語になった。
…早すぎる。全然聞き取れない
入国審査の一件を思い出し、この後のレンタカーの受け取りに不安が増していく。
ついにその時が
天気は一転、クライストチャーチに着くと分厚い雨雲は無くなり綺麗な青空が広がっていた。
まず一つ目のミッション『お迎えのお願い』
今回借りたレンタカーは空港内の窓口で手続きできるような大手レンタカーではなく、お迎えが必要なちょっと離れたところにあるレンタカー会社だった。
そしてそのお迎えは電話でしなければならない。
…いきなりハードル高。
完全に自信喪失していた私。でもウジウジしてても進まない。かけるぞオラァ!と気合いを入れる。
「…Hello,ほにゃららrental car. 」
「あっ、My name is 〇〇. I am booking a rental car today. I'm just outside door number two.」
会話が不能なので、とりあえずこちらの情報を一気に伝える作戦。事前にスクショしておいた翻訳アプリの英語を、畳み掛けるように読み上げる。
「Are you at door number 2? OK,ほにゃらら10minutes. ブチッ」
…多分伝わったぽい。
「10分くらいで来るって。10minutesって言ってた。」と、旦那に告げると「ナイスファイ!よくやった!」
いや、お前がやれよ。
と、心の中で呟きながらも第一ミッションクリアにまず一安心。
少し経ってお迎えの車が来た。名前を呼ばれ、車に乗り込む。担当してくれた人は大柄の男性。あまり笑わない、淡々と作業をこなす方だった。
二つ目のミッション『レンタル手続き』
着いた先はプレハブでできた小さな事務所だった。中に入り手続きを始める。いよいよだ。
そこからは「もう本当に大変だった🫠」の一言に尽きる。
事前予約はしてあっても、予約の再確認、説明、必要事項の記入、追加決済したりと諸々の手続きが必要だった。
レンタカーの手続きなんて、日本で何度もやったことがある。それなのに言葉が通じないだけで、こんなにも分からないなんて。
初めは不慣れな言葉を交わしながら進めていたが、我々の壊滅的な英語力により、気がつくと翻訳アプリを介した静かな会話に切り替わっていた。
BGMもない。小さなプレハブの中で私たちしかいないこの空間が、余計に空気を重くする。
ー そして追い打ちをかけるかのようなことが起きる。
「クレジットカード会社に海外旅行に行くことを伝えていますか?」
彼の翻訳アプリから、日本語のメッセージが流れる。
「…?どういうこと?」
「私たちが悪さをしようと思って銀行はあなたのカードを止めています。」
追加で流れたメッセージで、事を理解する。
クレジットカードが止まっていた。
流石の彼もこの時ばかりは少し眉間にシワを寄せ、無言の「どうするんだ」という圧を感じとる。
結局他のカードで無事決済はできたものの、
かなり手間を煩わせてる。本当に申し訳ない。という感情が頭の中を埋め尽くしていった。
(この後、他の店で普通に決済できた。何かのエラーだったのかも。)
とにかく一つ一つ、着実に進めていくしかなかった。
そして、最後の手続き。書面にサインを書く。
「OK. Wait outside, please.」
…無事完了した。はぁ、良かった。外に出るなり大きく息を吐く。
最終確認をし、最後に他に何か質問は?と聞かれ、
大丈夫です。本当にすみません。ありがとう。と頭を下げた。
すると、少し微笑みながら手を広げた彼。
「Have a nice trip! Enjoy!!」
こう言ってくれた。その時、初めて彼の笑顔を見た。
「…! Thank you so much!!!!ありがとう!ありがとう!」
嬉しかった。とっても。
ずーっと困らせてばかりだったのに、いい旅を!楽しんで!だなんて。
たとえ仕事だったからだとしても、嫌な顔せず丁寧に対応してくれた彼には本当に感謝しかない。
おかげでとても楽しい旅ができたよ、と伝えたい。
車を出す時に窓から手と顔を出して大きく手を振る。
彼も、振り返してくれた。
思い返せばこの時間が1番辛かったかもしれない。でもそれは、全て自分たちの勉強不足によるもの。
英語できなくてもなんとかなったよ。
翻訳アプリ使えば大丈夫だったよ。
よく聞くやつ。実際なんとかなったのは事実。
でも自分の中で「なんとかなったわー!」の一言で終わらせたくなかった。
「なんとかなった」という言葉の裏に、現地に住む「沢山の人に助けられながら。」という事を忘れちゃいけないと思ったから。
旅が動き出す
レンタカーを借り、ようやくプラン通りの動きができるように!
今日の目的地、「テカポ」へ向かう。
と、その前に早朝の機内食からまともなご飯を食べていなかったこと気がつく。ハラヘッタ何か食べよう。となるも、英語恐怖症になりつつある我々はカフェすら躊躇していた。
そんな中、近くにマックを見つける。
…マックなら、大丈夫っしょ。
結果、惨敗。
まずクレジットカード決済の機械の仕組みが分からず、手こずる。
日本の様にカード刺したら暗証番号を求められるのかと思ったら、「CR」「SAV」「CHQ」と謎の表示が画面に出た。
「…これはなんぞ?」何度やり直してもエラー。
オーストラリアでも同じらしい。
(CRはClearの略だと勘違いし、押したら戻るからダメ!と何回も他のボタンを押していた)
その後、番号が書かれたレシートが出てくるも、一向に呼ばれない。後から来た人にどんどん抜かれる。
見かねた店員さんが私たちに声をかける。
「ほにゃららペラペラペラペラ‼︎」
ソーリーわからん!と翻訳アプリに内容を打ってもらうと、決済できておらず店頭レジに持ってきて支払うようになっていたらしい。
「Oh…. Sorry…. 」
マックすらまともに注文できないとは。いったい私の英語レベルはどこで止まってるんだ?ABCの歌レベルか?
そんなことを思いながら注文の品を受け取る。ようやくハンバーガーとナゲットを口に入れた。うん、美味い。
そしてふと顔を上げると目の前に座っていた旦那と目が合った。お互いこれまでの出来事に耐えかねたのか、
「……ふははっ。うちら、ダメダメだね!」と笑い合う。
「まぁこれ含めて旅行だから!」と自分達で自分達を励ました。
テカポへ
交代しながら車を走らせる。
景色は街並みから広い広野に変わっていった。
時間が経つにつれ段々と大地の広さが大きくなる。
「まもなく目的地付近です」
とGoogleナビの音声と共にカーブを曲がった先に見えたのは、
「テカポ湖だ!」
うおお〜!ついたあぁ〜!
まずはホテルのチェックイン(無事完了with DeepL)
荷物を部屋に置くなり、カメラ片手に外に出る。
疲れていたはずなのに、この旅初めての観光に気分があがる!
夕暮れの時間帯ということもあり、ミルキーブルーのテカポ湖はお預け。明日も天気良さそうだし、明日はもっと高いところからテカポ湖見よ!と決め、今日は夕食を食べて休むことにした。
英語に適応するHPが限りなく0に近かったので、この日は近くのアジア料理屋に入る。
米はまだ恋しくなってなかったけど、私はフライライスを(量多かった)。もう一つはラーメンを。
どちらも味付け💯美味しかった!
ホテルに戻る。
ツカレタ。え、これまだ2日目?(読んでいる方もそう思っているはず)
ながーーーーい1日がようやく終わろうとしていた。
が、今日はまだ最後にやりたかったことが1つだけある。
テカポで星空を
テカポに来たら星空はマスト!なのは、ご存知の方多いはず。
星空保護区に指定されているこのテカポは、街をあげてテカポの星空を世界遺産にしようとしている。
三脚も持ってきたし、この日のために広角レンズもレンタルした。夕方天気も良かったし、どんな星空が待っているんだろう。
と深夜12時過ぎにワクワクしながら外に出て、上を見上げる。
なっ…雲モクモク出てきとるがな!!
何枚か写真を撮るも、雲、雲、雲。
そして思っていたよりも街明かりがある。(離れれば遮られたから、移動すれば良かった)
うーん。諦めよう!!!(早)
天気ばかりはしょうがない。
月もまだ出ているし、数時間後には満点の星空が見えるかも?気力があれば後で行くか。
そう思ってベットに入り目を閉じる。
そして気がついたら朝になっていた。
Day2 Fin.
next.
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