勝つことが1番のファンサービス?の考え方は古い?

昨年の3月、日本中を興奮させた侍ジャパンの躍動・WBC優勝は記憶に新しいことだろう。また、プロ野球では、38年ぶりに阪神タイガースが日本一を達成し大いに盛り上がった。

ここでは、近年変わりつつある野球を彩り、欠かせない1つのコンテンツになっている“ファンサービス”について話していきたい。もちろん、自分が応援しているチームが勝つ、選手が活躍するのが嬉しく1番のファンサービスといえるだろう。

しかし、その考え方にも変化が生まれていると感じる。2020年のシーズンオフに世界的にコロナウィルスが流行し選手との交流も制限され、無観客での試合を余儀なくされた。その中で、各チームは練習風景をSNSサイトを利用し配信するなど様々な工夫を凝らし、ファンが少しでも楽しめるコンテンツを生み出した。
また、北海道日本ハムファイターズが振り付けもとても可愛らしいキツネダンスを披露しファンと共に楽しめる場を提供した。そのキツネダンスは流行語大賞にもノミネートされるほど社会的な現象にもなった。

その一方で、少子化により各地の少年野球チームが減少傾向であり、また中高の統廃合が多くそれに伴い野球人口も減り続けている。さらには、多くのスポーツがネット配信などで気軽に視聴できるようにもなり身近になり以前よりも格段にスポーツの選択の自由は広がっている。

勝つことは大前提ではあるが今後、野球が生き残っていき、万人から支持され続けていくためにはプレー以外でも観客を楽しませるコンテンツに力を入れていく必要は大いに感じる。

各球団の企画力が試されることだろう。その中で、プロ野球16球団構想というのがある。チーム数を現行より増やすことによってそれぞれの地域性、個性を活かし地域創生自治体と一緒になって野球を盛り上げる。これが理想な形ではないかと考える。すぐには、チーム数は増やせない。色々な課題がある。まずそもそもどこの地域に新球団を作るか、スタジアム等の設備問題やスポンサー企業の誘致などが挙げられる。そのことを差し置いてでも、様々な現状を踏まえチーム数増加の議論は早々に進めていくべきであると考える。

2024年シーズンより2軍チームではあるが、新潟アルビレックス、ハヤテ223の2チームがイースタン、ウエスタンにそれぞれ参入する。この2球団の参入を足掛かりにし、今後のチーム数増加のモデル例として押し進めるべきである。

新たなコンテンツ、ファンを巻き込みながら共に考えることこそが、野球の魅力を高めていく一手に必ずしもなると信じている。

2024年シーズンの開幕を首を長くして待ちたいと思う。球春到来まではあとわずか。全国の野球ファンよ、あと少しばかりの辛抱だ。




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