きみたちは小柄なママのお腹のなかで
いったいどんなふうに収まっていたのかなあ
とっても不思議だ
ちっちゃな手足を力の限りふるわせて
泣き叫んでいる
しんとした空気がぷるんぷるん響いているよ
周りを囲む大人たちの緊張気味の顔が
ぱあっとほどけて明るくなった

とうとう外界にやって来たんだね
羊水の宇宙をゆったり遊泳していたのに
リアルな世界に連れ出されてしまった
こちらはけっして清浄とは言えないけれど
これからここで呼吸していかねばならない
いつまでも夢みながら
ファンタジーを楽しんでいたかった
かもしれないね
でも、しかたないんだ
きみたちは大きくなりすぎてしまったんだよ

ここには、きみたちの誕生を待ち望み
祝福する大人たちばかりがいる
きみたちをずっと守り続けてくれる
このおじいちゃんも
きみたちが寂しくなりそうなときには
ぎゅっとあたためてあげよう
だから、安心していいんだよ