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冬の交差


川岸の裸木(はだかぎ)に
白い花のように
じっと留まっている
ときおり
1羽2羽が
にわかに開花を急いだかのように
翼を広げて
川面に沿って飛翔したり
空に舞い上がったり
たゆたう時の流れに
私も漂っていた

にわかに
水面を叩いて
カワウたちが飛び立ち
上空の仲間たちとともに大きく旋回する
空の青に無数の十文字模様の黒を浮かべながら
群れの大きな姿をゆるやかに変えてゆく

それまで静止していたシラサギたちが
木の枝や岸から次々と
慌ただしく空へ向かった
真白な群れが長い楕円を描いてゆく

澄明な大スクリーンでは
白く輝く光のような群れと
黒く照る影のような群れとが
斜めに交差してゆく
光と影とが冬の大気に混じる
黒から抜け出た白は
光の群れに合流し
白から抜け出た黒は
影の集団に戻り
それぞれ優雅な軌跡を描き続ける

私の狭い日常の外に
ごくあたりまえに
このような営みが
繰り広げられているなんて






   撮影地  浜松市 神ヶ谷

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