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江田島市の歴史を歩く:観光名所・史跡巡り

江田島町の桜

広島県広島市から船で約30分の美しい海に囲まれた江田島市。この町は、自然の美しさだけでなく、旧海軍兵学校があった地として知られています。
今回は、その歴史を感じることができる名所・史跡を巡って、見どころやアクセス方法について紹介します。


江田島市の歴史について

陀峯山からの眺め

江田島は、広島湾防衛のため明治の頃から様々な旧海軍、旧陸軍の施設が置かれました。今でも当時の遺跡が島内各地に残されています。
瀬戸内海や空の青さと、歴史のある建物のコントラストは写真映えも狙えるスポットばかりです。歴史を体感しながら、江田島を巡ってみましょう。

観光名所・史跡スポット4選

①海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校跡地)
②海友舎
③軍艦利根資料館&ネイビーロード
④砲台山(三高山堡塁跡)

今回はそんな江田島の魅力を4選に厳選し、ご紹介していきます。
ぜひこちらの記事を参考に、江田島旅を計画してみてください。


観光名所・史跡の詳細

①海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校跡地)

海上自衛隊幹部候補生学校

海軍兵学校は、明治21年(1888)8月、東京築地から江田島に移転してきました。アメリカのアナポリス、イギリスのダートマスと並び世界3大兵学校として知られることとなりました。
兵学校で最も知られた建物である、幹部候補生学校/旧海軍兵学校生徒館は県内トップクラスの意匠と歴史を誇るレンガ建築であり、全長140mという大建築です。
設立から変わらない重厚な佇まいのノスタルジックな建物では、当時と同じ凛とした空気が流れています。NHKドラマ「坂の上の雲」のロケなどにも使われています。

坂の上の雲ロケ風景  第一術科学校HPより

江田島に通った軍人は、寝食を共にした海軍兵学校の同期生を何よりも大切にしたそうです。
同級生が戦死した場合は、残された家族を生き残った同級生が可能な限り面倒を見るという暗黙の了解が存在していたようで、こうしたことは美風として語られ、戦後に至るまで海軍兵学校出身者の絆は強かったと言われています。

同期の桜 江田島ファンネットHPより

校内には、軍歌である「同期の桜」に歌われた同期の桜が実在し、第一術科学校となった現在も、同期との絆を象徴するシンボルとなっています。

志を共にする仲間との出会い、そして旅立ちのたくさんの物語があります。

敷地内にある教育参考館には幕末から第2次世界大戦までの海軍関係者の書、遺品などを展示してあります。特に自らを犠牲にして国のため散っていった若き特攻隊員の遺書は涙なくしては見学できません。

江田島銘醸 同期の桜

「同期の桜」にちなんだ地酒もあります。

江田島クラブ 江田島ファンネットHPより

記念品・おみやげセンターとして売店「江田島クラブ」もあります。
自衛隊グッズをふくむオリジナルのお土産やご当地商品を揃えています。

見学について
見学開始30分前から正門で受付しています。
平日、土日祝日では見学時間が異なり、見学に際しての注意事項がありますので、ご注意ください。
見学時間、注意事項は第一術科学校のHPをご確認ください。

<アクセス方法>
小用港より バスで6分。第一術科学校前バス停から徒歩5分。
所在地:広島県江田島市江田島町国有無番地 海上自衛隊第1術科学校
<お問合せ先>
第1術科学校:基地見学 (mod.go.jp)

②海友舎

海友舎 ぐるぐる海友舎プロジェクトHPより

第一術科学校の正門から徒歩5分のところにある白い洋館は、明治44年頃に建てられた海軍兵学校の下士官用集会所です。
110年前に建てられ空襲さえも免れたこの建物は、ほとんど当時のままの姿を残している、貴重な木造洋館です。
戦後、この下士官集会所は払い下げられ、有限会社江田島文化興振社が使用していましたが会社を辞める事となり、現在はこの下士官集会所を残そうとする有志のグループ「ぐるぐる海友舎プロジェクト」により整備、保存され活用されています。

ぐるP活動の様子 ぐるぐる海友舎プロジェクトHPより

館内見学 : 基本、敷地外からの見学となります。館内を見学したい方は、前もってご相談ください。(開館日は、ぐるぐる海友舎プロジェクト HP のカレンダーに掲載)

<アクセス方法>
小用港より バスで6分。第一術科学校前バス停から徒歩5分。
第1術科学校の正門を左に出るとファミリーマートがあります。左手に入る脇道を直進、約100m行った右側にあります。

所在地 江田島市江田島町中央 2-7-10
<問い合わせ先>
ぐるぐる海友舎プロジェクト
HP:https://www.kaiyousya.com/

③軍艦利根資料館&ネイビーロード

軍艦利根資料館 江田島市観光協会HPより

軍艦「利根」とは、旧日本帝国海軍の巡洋艦です。
1945年7月28日、29日の呉空襲に際して、米軍の空襲を受け江田島湾で大破着底し終戦を迎えました。

資料館内部 江田島市観光協会HPより

太平洋戦争中は、機動部隊の目として活躍し、ハワイ真珠湾、ウェーキ島、ミッドウェー海戦、南太平洋海戦など主要な機動部隊の戦いには全て参加しています。
利根、最期の場所のそばに戦没者慰霊碑とともに資料館が建てられています。

大破した軍艦利根 江田島市観光協会HPより

資料館を出た先の、長瀬海岸の沖に浮かぶふたつの小島があります。
近くの海上にある2つの岩山は利根が空襲を受けた際、1つのものが2つに割れました。

ネイビーロード 江田島市観光協会HPより

潮が引いた時にできる、青い海に島を繋ぐ一筋の道は「ネイビーロード」と呼ばれています。
海が群青に染まるときネイビーロードを渡りそこにある船霊社に願いをかければ成就への道が繋がると、言われているそうです。

長瀬海岸

利根の歴史とこの地に空襲があったことを知った後に眺める海は、これまでとはちがった様に過去から未来へ続く海として変わって見えるかもしれません。
<アクセス>

  • 中町桟橋より車で3分

所在地 広島県江田島市能美町中町
<問い合わせ先>
江田島市観光協会
軍艦利根資料館 - 江田島市観光協会ホームページ (jimdo.com)

④砲台山(三高山堡塁跡)

砲台山 江田島市観光協会HPより

広島県江田島市沖美町美能、瀬戸内海を望む砲台山の山頂付近に、明治政府が残した遺跡があります。
ロシアとの国交が断たれた明治30年代頃、バルト海から日本に迫るバルチック艦隊に備えて建築された、広島湾を守る「三高山砲台基地」。
幸いにも基地からは一発も発射されることはありませんでした。
基地は大正8年に破棄されてからも、その姿を残したまま、登山客を出迎える史跡としてあります。

ドローン空撮 uedatomチャンネルより

基地には遺跡が数多く残り、現在では風化された当時の遺物が緑の植物に覆われており、古びた地に緑が生い茂る姿が幻想的で、まさに「天空の城ラピュタ」の世界に入りこんだようなミステリアスな雰囲気を感じられる場所です。

砲台山からの眺め 江田島へ行こうHPより

宮島や広島市まで一望できる景観の良い場所でもあります。
<アクセス>三高港より車で約25分
所在地 広島県江田島市沖美町
<問い合わせ先>
江田島市観光協会
砲台山(三高山堡塁跡) - 江田島市観光協会ホームページ (jimdo.com)

歴史を味わう海自カレー


商品ラインナップ 江田島海自カレーHPより

「江田島海自カレー」は、旧海軍兵学校から受け継がれてきた海上自衛隊のカレー文化を生かした地域振興と海上自衛隊のPRを推進するため、海上自衛隊、江田島市、江田島市商工会が連携して立ち上げた取り組みです。

海上自衛隊第1術科学校には、カレーのレシピは1種類しかありませんでしたが、江田島市の特産品である大豆、ちりめん、牡蠣、オリーブなどを使用し、第1術科学校のカレーをベースとしたコラボカレーのレシピを作成したため、市内の参加店舗において、ご当地グルメとして食べることができます。

提供店舗はこちらから!
提供店舗のご案内 | 江田島海自カレー (etajima-kaijicurry.com)

お土産用のレトルトになった海自カレーも販売しています。


まとめ

江田島市は、歴史と自然が共存する美しい場所です。
初めて訪れる方でも、この町の深い歴史を感じながら、リフレッシュすることができるはずです。
ぜひ歴史を感じながら江田島巡りしてみてくださいね。

参考HP
江田島文化財・史跡・戦争遺跡巡り | 広島県江田島市の文化遺産・史跡・戦争遺跡を紹介。歴史に思いをはせて島を巡る (etajima-meguri.net)
江田島市の軍艦利根資料館への行き方・見どころ観光情報
広島の建築 arch-hiroshima|海上自衛隊第1術科学校・幹部候補生学校/旧海軍兵学校
広島の建築 arch-hiroshima|海友舎/旧海軍下士卒集会所

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