水死体運搬船タイタニック (エッセイ)
海の男。
うーむ、憧れる。響きからしてカッコいい。その言葉から連想されるのはやはり船乗りだろうか。しかし一口に船といっても様々な物がある。客船もあれば貨物船もあり、巡視船もあればクルーザーだってあるわけだ。
その中でも最もタフでダンディズム溢れる存在が漁船であり、またそれを駆る漁師なのだと思う。荒れ狂う大海原へと船を出し、捩じり鉢巻きを頭に大物を次々と釣り上げ、船に掲揚した大漁旗を翻しつつ港へと戻ってくるのだ。カッコいい。やはりカッコいい。
ぼくは漁師ではなかったが、育った町