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星空を眺めると、それはそれは美しい冬の星座が見えた 【KOZUKA 513 shop paper vol18 2020/11】

「さよならの向こう側」の歌詞が好きなのだ。何とかそこに落とし込もうと意図した文章ではある。それと、りんけんバンドが好きで、「黄金三星」にも触れたかった。

今現在は8月中旬。今年の夏はとにかく暑い。それでも季節が進めば、また冴えわたる夜空に冬の星座が君臨する季節が巡ってくるんだろうな、と、ひととき暑さを忘れてみる。


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日ごとに寒さが増してきた 空に星がさえる季節
さそり座や白鳥座などの夏の星座はいつの間にか姿を隠し
冬の星座の代表格 壮大なオリオン座が夜空を飾っている
 
オリオン座の右上と左下は1等星のベテルギウスとリゲル ベテルギウスは
おおいぬ座のシリウス こいぬ座のプロキオンとともに冬の大三角形を構成する日本では古来 ベテルギウスを「平家星」 リゲルを「源氏星」と呼んでいたらしい

左上と右下は2等星のベラトリックスとサイフ
4つの星で巨大な矩形を作るで でも オリオン座の一番の魅力は
矩形の真ん中に並ぶ三つの星なのだと思う
西から ミンタカ アルニラム アルニタク いずれも2等星
西洋では「Tristar」と呼び 沖縄のバンドは「黄金三星(くがにみちぶし)」と歌う
 
星空を見るたびに不思議に思い 気が遠くなるような思いをすることがある
星座や大三角を形作る星たちは
実はそれぞれに太陽からの距離が違うということ
シリウス プロキオンが10光年なのに対して
ベテルギウスは600光年以上だという そして
そんなに遠くの星だから 今見ている星の光は数百年数千年も昔の姿であり
もしかしたら今現在は存在しないものなのかもしれないということ
もしベテルギウスの爆発を観測したならば
それは600年も昔の出来事だということ
 
 何億光年輝く星にも 寿命があると 教えてくれたのはあなたでした
 季節ごとに咲く一輪の花に 無限の命 知らせてくれたのもあなたでした
          (「さよならの向こう側」詞 阿木燿子)
 
星空の不思議や 冬枯れの草木の姿に 思いをはせる晩秋
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星空があまりにも美しい夜、近くの田んぼ、街灯のないところまで歩いてみた。冷え込む夜で、それだけ空気は澄んでいて、きれいな星空だった。
オリオン座、スバル、ふたご座、冬の大三角。西寄りの空に赤く輝くひときわ大きな星。あれは火星だ。
オリオン座を眺めていたら、不意に大きな星が流れた。これほどの見事な流れ星を見ることもそんなにないから、きっと何かよいことの前触れに違いないと思った。
都会に暮らす人々は、田舎で見る星空を見て美しいと感動する。確かに都会で暮らしていた頃は、夜中であっても煌々と照る街頭やビルのネオンサイン、過剰な照明で星空など美しいと意識することもなかった。
ただ、自分が知っている本当に美しい星空、それは自分の地元の夜の浜辺で、本当に何の人為的な明かりのない砂浜に寝そべって見上げた星空。そしてふと気づく。本当に星空が美しい夜は、新月、月のない夜なんだなぁ、と。

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