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房総半島を巨大台風が襲った日【KOZUKA 513 shop paper vol05 2019/10 】

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令和元年9月8日夜半から次第に風が強まり 9日未明にはめちゃくちゃな 暴風になった
「めちゃくちゃ」というのが誇張でも何でもないそのものの台風
悪意に満ちた何かが建物をわしづかみにして地面からひきはがそうとでもしているような揺れ
普段絶対耳にしない何かが裂けるような音 ぶつかり折れる音
 
夜が明けると辺りは様相が一変していた
大きな木の枝や竹が折れてそこら中に散乱し電話線が切断されて垂れ下がり
見慣れないトタンや何かが飛んできていた
そしてその日から10日間に及ぶ停電が始まった
 
幸い建物に大きな被害はなく水道とガスと食糧はあったから
すぐに生きていくのに困るようなことはなかったけれど
充電がなくなり 通信は途絶え
冷蔵・冷凍したものはつぎつぎとダメになっていき
高速道路は封鎖され それどころかあちらこちらで生活道路が寸断され
コンビニも商店も営業を停止し
冷たい飲み物も温かいシャワーもない日々…
 
そんな中で
営業している遠くの店で買ってきた氷を分けてくださる人
LEDランタンを貸してくださる人
飲料水のペットボトルを差し入れてくださる人
電源を快く貸してくれた公民館の人
無料で温かいお風呂を提供してくれた青少年センター
復旧作業に当たるたくさんの人々
 
「生かされた」という思い
大きな災害の後 まだまだ大変なことが多いかもしれないけれど
一歩一歩だな!
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台風15号(房総半島台風)
開店して4カ月目の、まさかの出来事。ほぼ1カ月の休業を余儀なくされた。

最初の10日間の停電のときは、まだ暑い時期だったこともあり、水シャワーを浴びたり、タライで足踏み洗濯をして竹に干したり、なんとなく余裕だった。冷凍冷蔵食糧がなくなっていくのには閉口だったけど。ガスはプロパンだったし、断水にはならなかったことは幸いだった。

後半の5日間の停電は、急に寒さが増した時期で、温かいお風呂もシャワーもないことには本当にまいった。無料開放してくれたホテルや青少年センターはありがたかった。

復旧作業では、あちこちで自衛隊の車両や隊員の野営地(?)、活動する姿を目にした。それほどの災害の中にいる自分だったのだな、と振り返る。


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