「できる」と「わかる」の区別だけで子どもの見通しは広がる
いよいよ学校では新学期が始まりました。
今年は、月曜スタートということで、なかなか体力的にもハードな学年はじめでした。
そんな中、本格的に授業もスタートし、いわゆる「授業開き」も各教科で終わったところではないでしょうか。
今回は、私の算数での授業開きを備忘録的に記事にしておこうと思います。
Voicyにて、「けテぶれ」提唱者の葛原先生がよく言われている自分自身が今どこに位置しているか、といういわゆるメタ認知について私なりの解釈を基にして子ども達に思いを伝えました。
まず、算数の学習において「わかる」と「できる」を区別しようということです。
「できる」とは
まず、私が考えるところの「できる」とは、文字通り問題ができることです。
つまり4×2という問題が出されたら、8と答えが出せる状態のことです。
「わかる」とは
次に、「わかる」とは、どのようにその答えが出せたのかを説明できる状態だと伝えました。
例えば、4×2は、お皿に4つのクッキーがあって、それの2つ分だから・・・と自分なりの言葉で説明ができればよいということです。
座標軸を使って
高学年ともなるとテストで100点を取ることで、「できた・わかった」とそこで学びを止めてしまう子がいます。
しかし、私の考えではそれはあくまでテスト上では問題が解けただけなので、本当の意味での「学び」にはなっていないように思います。
そこで、子ども達には黒板を使って以下のような座標軸を書いて説明しました。
1~4年生までで学習したことを基にして、その時の自分の理解度はどこだろうと問いかけながら話しました。
当然1年生の繰り上がりの足し算程度は全員「わかる」し「できる」と自信満々でした。
しかし、4年生の小数や分数、面積となると、座標軸の色々なところにいるかもしれない・・・と少しずつ伝えたいことが伝わっている気がしました。
算数を学ぶ意味
ここで大事にしたいのが、そもそもなんで「算数」を学ぶのかという子ども達にとっての一番の疑問に、教師がはっきりと想いを伝えるということです。
私の場合は、算数を学んで「できた」だけを積み重ねていると、できなくなったときに算数を嫌いになってしまう可能性が高い、と伝えました。
また、言葉を選ばずに言うと、小学校高学年から中学校の数学については「できた」としても、その後の人生に役に立つものはそう多くないでしょう。
算数の本質は、数学的な思考の良さを育むことだと考えているので、「できた」だけでは、そこにつながらないというわけです。
だから、私は算数の授業で「できた」も「わかった」も追い求めて欲しいのです。
評価とも関連させて
また、評価についても話しました。
ざっくりと、
「できる」は知識・技能
「わかる」は思考・判断・表現
座標軸上で右上に向かって頑張った姿は主体的に学習に取り組む態度
という感じで伝えました。
それが全てではありませんが、イメージはしやすいと思います。
早速、5年生は小数と整数の学習をしていますが、ノート上や発表の際に私なりの評価のポイントを伝えていると、子ども達の振り返りにもそれが表れてきました。
例えば、今までできただけの状態で止まっていた子がより良い表現の仕方を探そうとしている姿もありました。
今年度は、「メタ認知」をテーマにしつつ算数の授業を更にレベルアップさせていこうと思っています。
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