見出し画像

アイスは別腹?

22時58分。
体が重たいのは、いつものこと。
未だ風呂に入れずにいる私は、小気味のよいフリック音を立ててスマホを操作している。

今日の夕飯は恋人と鍋パーティーをして、胸囲よりお腹の方が出てるんじゃないかってくらい食べてしまった。

『アイス買ってくる!』
なんて、雨の中無邪気に走り出した彼は満腹という概念を知らないのだろうか。いや、お腹いっぱいすぎて動けないってつい10分前に聞いた気がするのだけど。

"デザートは別腹"なんて誰の言葉か。
生憎私はご飯もデザートも同じ胃に収納されるみたいで、彼が帰ってくるまでにどうやって胃袋の隙間を空けようか。カロリーを消費するわけもないフリック入力をしながらぼーっと少し眩しい蛍光灯に目を細めた。

今日からの新しい試みで、物語を書こうなんて意気込んだのはいいものの、これといった文才も想像力も持ち合わせていない。
前途多難だな、これは。

さほど遠くない距離のコンビニに向かったはずだから、きっとそろそろ玄関の開閉音が聞こえるだろう。
満面の笑みで手提げ袋をぶら下げてこちらに渡してくる彼が容易に想像できてしまって。
仕方ないから、って私も笑顔で受け取るんだろうな。

聞きなれた音がリビングに響いた。

「ただいま!どっちがいい!?」



はじめまして。碧です。
これはちょっとした自己紹介みたいなお話でした。
久しぶりに物書きをしたけど、やっぱり難しいなぁとしみじみ。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?