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calling

コロナ禍になって働き方やライフスタイルは随分と変わった。
出社する回数も減ってテレワーク中心の生活になったわけだけど、その生活の中で変化したことのひとつに職場でもプライベートでもオンラインでのセミナーやイベントで学ぶことが増えたことがある。

先日、山梨県にある株式会社日建の雨宮清さんの講演を視聴した。雨宮さんはカンブリア宮殿など多くの番組で取り上げられている方だったのだが、僕は全く存じ上げなかった。
雨宮さんが会長をするその会社は、建設機械の製造•販売•アフターサービスなどを事業領域にし、さらに1995年から開発に着手してきた対人地雷除去機の製造•販売を通して世界の地雷被害国での地雷除去、農地復興、インフラ整備等を行い、安全な緑の大地を人々の手に取り戻す活動をする会社だ。

講演では対人地雷除去機の開発•普及の歴史をメインに地雷除去の映像も交えながら話をされたが、それはそれは壮絶な道のりであったことは想像に難くない。
ではどうやって社会問題をビジネスとして解決できる状態にまで持って行けたのか。
やはりそこには雨宮さんの強い信念があった。
雨宮さんの言葉のいくつかを紹介したい。
•モノづくりは挑戦者でなければできない。人をつくらずしてモノはつくれない。技術の根源はモノづくり、人づくりにある。
•中小企業も大手も日本はもっとモノづくりに注力していかないといけない。粘り強く人づくりにチカラを入れて欲しい。指導するには根気がいる。上から目線の教育ではダメ。目線を同じもしくは下に置くこと。それを続けていくと必ずマーケットが広がる。根気強く人を育成した結果としてモノが売れる。
•トップシェアを取れたのも誰も行きたがらない、やりたがらないことに挑戦した結果だ。
•国際貢献はお金を出すことだけが貢献ではない。心を伝えることこそが大切。お金は消えていくが、笑顔や気持ちは消えていかない。
•今の日本人は感謝することを忘れていないか。今の自分があるのはこれまでの日本、日本人が自分を育ててくれたからだと思っている。
•コロナはこれから我々が何を成すべきかを問うているのだと思っている。何を成すべきかがわかれば、人間は強い。使命感と目標が人間の能力を最大限に高めてくれる。

雨宮さんにとって地雷除去機の開発•普及は「天職」だったのだろう。
というのも近内悠太さんの「世界は贈与でできている」を読んでいて、その中で「天職」のことをこう表現していたからだ。

「『天職』とは自分にとって効率的に稼ぐことのできる職業•職能ではない。『天職』は英語で『calling』。誰かから呼ばれること。誰かの声を聴くこと。これが『天職』の原義。そしてたまたま自分にはその声に応じるだけの能力と機会があった。それに気づいたとき、そこには責任(responsibility応答可能性)が立ち現れる。」

天職は英語でcalling。誰かに呼ばれて、自分がやらなくてはいけない、と気づくこと。それが天職。

とても素敵だ。

会いたい人に思うように会えない毎日だけど、かわりにつくられた時間で得られていることも多い。

いつ誰かに呼ばれてもいいように、そしてその誰かの声に気づける自分であるために、1日1日を大切に過ごそう。

そういう生き方はとてもカッコいい。