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プロスピを振り返る野球シーズン2022⑦ー編成部門

 編成部門としては、シーズンの最後に大仕事がある。プロ野球スピリッツというゲームのペナントモードはこの大仕事をするためのゲームと言っても過言ではない。
 ドラフト選手のスカウトから始まり、ドラフト本番、自由契約の有無を行い、オフシーズンのトレードFA市場に繰り出していく事になる。

 2022シーズンを二位で終えた福浦ロッテは今年示した育成の方針を維持しながら、大差で離されたソフトバンクホークスと戦えるようなチームを作っていかなければならない。
 ということでまず、2022シーズン後半戦のロースターを示す。


2022福浦ロッテロースター

投手(太字は左腕)

山中浩史(37),大谷智久(37),内竜也(37),石川歩(34)
中後悠平(33),藤岡貴裕(33),南昌輝(33),野村祐輔(33)
益田直也(33),沢成樹(32),土田瑞起(32),西野勇士(31)
大瀬良大地(31),鶴井秀人(31),公文克彦(30),中崎翔太(30)
田中英祐(30),野元政隆(29),今野龍太(27),田口麗斗(27)
羽鳥英俊(26),石川直也(26),竹島亮平(26),戸谷茂幸(26)
小野郁(26),板垣憲人(21),岩佐幸博(21),藤澤敏浩(20)
内山憲人(20),根岸達郎(18),小原龍司(18)

捕手(太字は左打者)

寺嶋寛大(30),田村龍弘(28),浅井康司(25),小湊晋一(24)
奥脇克己
(24),工藤順(23)(工藤は両打)

内野手(太字は左打者)

今江敏晃(39),田中広輔(33),草野孝典(31),川崎宗則(30)
中村奨吾(30),江村直也(30),田原龍平(28),北條史也(28)
ソラーノ(28),高木貴幸(26),島井秀浩(26),鎌田智規(24)
丸山和史(22),河野剛裕(21),白川浩也(21),竹下純三(20)

外野手(太字は左打者)

岡田幸文(38),吉村裕基(38),俊介(35)梶谷隆幸(34)
伊志嶺翔太(34),張志豪(33),藤原昭光(29),水沢直輝(28)
鈴木誠也(28),横田慎太郎(27),淺間大基(26)
長内信介(26),朝倉祐貴(25),喜多友也(21),梶原敦志(19)

選手の分析(年齢)

 若手起用の方針とは言っているが、ロースターはそうなっているか。
 左投手不足を補うべく、ドラフトで左腕を多く獲得している昨今。まだ一軍のローテーションやブルペンで戦うレベルには達していないので、中後や藤岡にはまだ頑張ってもらいたい。
 最年長の山中浩史は引退となったが大谷、内両名はまだまだ一線級。衰えはあるものの来期も戦力となる。
 20代後半から30代前半の、脂が乗っている時期の投手が多いのはプラスポイント。彼らが投げている間に若手の育成を試みたい。
 野手では、内野と外野で大きく状況が違う。
 内野手は完全に4つあるうちの3つが蓋をされている状態で、20代前半の選手が苦労をしている。左偏重のロースターは少しずつ改善に動いているが、まだ若い右打者が出てくるには時間がかかりそうだ。
 外野手では世代交代がうまくいった印象。吉村と藤川俊介の引退が決まり、梶谷の去就も不確定。20代中盤のレギュラーを若手が追いかける構図を作る事が出来た。若手の数はまだ足りないので、抜ける人数を補うドラフトを行いたい。

選手の分析(データ)

 まず初めに、パークファクター問題であるが、

 前回はパークファクターを計算せずに試算した。今回は、少しパークファクターも加味して考えようかと思ったが、ゲーム内のQVCマリンフィールドと現実世界のZOZOマリンスタジアムは全然パークファクターが違うと思うので、どうしようかと思っている。プロ野球スピリッツはゲーム内でパークファクターを計算できる程優秀ではなく、球場別成績を出せない
 現実世界ではZOZOは得点パークファクタ―が高く、1.21→1.02→1.11とここ三年では推移しておりホームランラグーンの設置が影響している。
 それを踏まえるとパークファクターを0(1.00)と計算すればゲーム内のQVCマリンフィールドを表現できるのでは?と考えた(サボり)。
 計算した指標はERA+、FIP、wRC+、OPS+の4指標。
 wRC+の計算に必要なwOBAの計算式はこちら。

(0.75×四球+0.65×死球+0.9×単打+1.25×二塁打+1.6×三塁打+2.0×本塁打+0.25×盗塁-0.5×盗塁死)÷(打数+四球+死球+犠飛)

前回の計算式と同じで巷で扱われている係数に少し変化を加えている

データ分析(投手)

リーグ防御率は4.37

 まず先発陣から。中盤から終盤までフル回転で稼働した四名のローテーション投手は奪三振率にも優れ、FIPも三点台。
 エース野元の奪三振7.27は少し低いが、カットやシュートを中心としたゴロピッチャーであることを考えれば合格点だろう。長年フロントスターターを務める石川歩、新人王岩佐、新天地で飛躍した羽鳥のを加えた四名は来期のローテーションも当確と言ってよい。
 2022シーズンの開幕ローテは野村祐輔と小原龍司が入っていた。この二人はどうか。野村祐輔は防御率や勝敗を見れば凡なようで、QS率58.3%、奪三振率8.96、FIP3.73など指標は悪くはない。ゴロピッチャーでありながら強気に内角をストレートで攻める点や、フォークの落ちも衰えず一軍のローテーションを狙えるレベルにあることがわかる。
 ルーキーである小原龍司は、高卒一年目の点では素晴らしい結果。指標は芳しくはないがまだまだ発展途上の選手であり育成部門期待の選手である。
 期待と言えば田口麗斗もそのうちの一人。後半戦は抜群の成績で、一気に来期のローテーション入りに名乗りを上げた。
 他の主な投手では大谷智久は渋い活躍。流石に今年は上振れだろうが、また戦力となって欲しい。鶴井と大瀬良は苦しい投球が続いている。ただ大瀬良のFIPは思ったほど悪くないし、QS率は71.4%としているのだが、優先順位が後の方になっている。長いシーズンで一度は訪れるであろうチャンスを掴みたい。

 次に中継ぎ陣。中継ぎはセイバーメトリクスの観点からすれば重要性は低いが、このチームの屋台骨となるポジションである。前年TDLで加入しながら今一つだった中崎が本領を発揮。怪我での離脱が無ければより多くの登板数を稼ぐことが出来ただろう。藤岡貴裕や石川直也、内など勝ちパターンでなくとも奪三振率に優れ、支配的な投球が可能なブルペン陣が構成できている。
 勝利の方程式三枚は、クローザー益田、不動の西野に帰ってきた南が入っており、それぞれが素晴らしい投球を一年間続けた。
 さて、セイバー的には重要性がポジションと記したが、なぜそんな話をするのかと言えば西野勇士の起用法を考える事に繋がるからである。
 8シーズン見てきて一度も奪三振率が10.00を割ったことがない(2019年は14.82、2022年は14.48)西野勇士を先発起用するか否かである。
 もしこのパフォーマンスをスターターとして出来れば、チームにとって大いにプラスとなる。

 キレのあるストレートに落差のあるフォークというスタイルを、先発でも続けられるかがカギとなるが、先発適正がある投手なだけに1イニング限りとしておくには勿体ないという見方がある。
 リーグを代表するトップリリーバーも来年は32歳となるし、先発転向するなら今であろう。ハイレバレッジな場面を度々凌いできたリリーバーが一枚居なくなる事が、どれだけ影響するかはわからないが、内山や根岸といった若手のリリーフもチームには加わってきており、彼らが活躍できれば埋まるとも言える。

データ分析(野手)

リーグOPSは.737

 捕手は打撃守備の総合力で小湊晋一が正捕手。守備面では対抗となる選手は多く田村はその筆頭だが、やはり打撃面で小湊に劣る。
 高木はOPS.826、wRC+123と捕手のポジションに入れる選手としてはかなり打てる方だが、守備面では不安

 盗塁阻止率も小湊に劣り、正捕手としては起用できない。

 さて内野手について分析したい。
 指標でみるとwRC+146の草野、120の中村の2選手は守備面も含め貢献度が大きい。川崎宗則は守備での貢献は大きいが、wRC+で見ると意外にも平均を下回っている。長打率だけでなく出塁率でもリーグ平均を下回っていたらしい。好調な一年で盗塁数も稼げたのだが、指標は残酷である。

ゴールデングラブの守備

 そして懸案の三塁手について。丸山、島井、ソラーノとwRC+は大きく平均を下回っている。守備面は育成など色々な評価項目からこの辺を起用したが、打撃指標だけ言えば、田中広輔が一番手なのだろう。

三塁で26試合に出場

 続いて外野手の分析をしていく。
 淺間、横田の両翼はwRC+が130を超えており来期もレギュラー当確だろうか。指標を見て面白いのは、盗塁王の張志豪のwRC+が108に留まっていることである。勿論平均以上の攻撃力はあるが、印象よりも数字は伸びなかった。
 試合数の差を考えなければ、長内信介と争う形になる。起用法を変えるとしたら長内はライトしか十分には守れないため、起用するなら淺間を含めた三者のバランスになる。

 以上が今季の指標から見た来季の大まかな構想。続いて詳しく考えていく。

2023配置転換構想

 先発枠は残り2枠。ここに西野勇士を起用するかが投手では大きな話題。

 安定感抜群のトップリリーバー。スタミナの面で長いイニングを放れるかは不透明だが50イニングが120イニングになるだけで、WARで考えればとんでもなく貢献度はあがる(らしい)。
 後は250セーブを達成した益田が次は250ホールドとか言い出すかもしれないとかそういう事も考えたら面白い。
 次に野手。野手の配置転換は今のところ考えられない。引き続き終わらない三塁手論争がある。外野手争いではもしかしたら張志豪の定位置が危ないかも、併用になるかもという話か。
 ただ、外野二枠を三人で回す構想なのは今シーズンと変わらず、若手の台頭などが無ければ従来通りとなるか。

 順調に歩みを進めるプロスペクトが、もしかしたらより多くの出場機会を得るかもしれない。喜多には育成部門、編成部門共に大いに期待しているところだ。

戦力整理

 選手の引退を除いて戦力整理が行われにくいゲームの世界。結果、各チームドラフトはニ、三人の指名に終わる事が多い。再建モードではないにせよ、育成にかじを切っている編成部門としては、やらなければならない仕事の一つ。
 現在のロースターは投手登録31名、捕手登録6名、内野手登録16名、外野手登録15名の計68名で構成されている。ここから引退する山中、吉村、俊介を除くと65名となる。新シーズンを迎えるにあたり70人の枠いっぱいで始めることは考えにくく、ドラフト指名を増やしたければここから削る必要がある。
 そこでまず考えられるのが梶谷隆幸のノンテンダーだ。淺間長内の両プロスペクトが一人立ちするまでの、いわばレンタル的な補強だっただけに、今がそのタイミングと言えよう。今シーズンのTDLで売れなかったのは万が一の怪我に備えてだが、今オフにそれを敢行してもよさそうである。
 ノンテンダーにするかトレードにするかはわからないが、余剰戦力となっているwRC+130は売る(放出)しかない。
 この他では投手なら沢や土田、野手であれば伊志嶺や藤原がノンテンダー候補になる。(コーチ起用を見据えるなら引退が望ましいが)

ドラフト指名構想

 63名程でオフを迎える予定の今季、ドラフト指名は5名程度が予想される。年代で見ると若手にスターター、捕手、外野手が不足し、ポジション別に見れば次代を担えそうな遊撃手がいない。
 根元スカウトお墨付きの高校生ショートを、ドラフト一位で入札することがスカウト会議にて指針とされた。残りの支配下四枠を投手2捕手1野手1に振り分け、ドラフト会議に挑むことになりそうだ。
 優秀な即戦力投手がいるとの噂もあるが、ドラフト一位で消える事も予想される。リストに上がる二名の即戦力タイプが二位でまだ残っていれば獲得する予定。高校生捕手は数名リストアップできているので三位で十分か。三巡目以降も丁寧に入札する必要があるだろう。

 今オフはトレードに消極的との噂もあり、ドラフトが戦力補充の観点から重要なイベントになる。心して臨みたい。

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