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アメリカの理学療法士(Lily Seynaeve)

FIRST TRACKは2023. 12/1-10の期間アメリカに研修を行ってまいりました。アメリカに研修に行った理由はこちらのNoteより。

2日目のSan DiegoではLily Seynaeveにお会いしました。
彼女はSan DiegoにてPrehabという施設で主にランナーの治療からフォームの改善、パフォーマンストレーニングまで携わっているDoctor of Physical Therapist(理学療法士)です。


アメリカと日本の理学療法士の違い

日本で理学療法士はPhysical Therapist(PT)と呼ばれますが、アメリカではDoctor of Physical Therapist(DPT)であり、博士過程を修了する必要があるという点が大きく異なります。
LilyもDPTの資格を取得する為にSan Diego State Universityに在籍し、大学および大学院過程を修了する為に計7年の時間と労力を費やしたようです。
それだけにDPTは傷害や病気の診断が可能(日本では医師のみ)であり、立場としては医師と並列であるという強みを持っていました。

Doctor of Physical Therapistが提供する施設 ”Prehab”

Prehabの名前にはリハビリが必要になる前にその兆候を見つけて対応するという思いが込められており、Lilyが傷害予防に力を入れている事が分かるとても良いネーミングでした。

Prehabの設備

施設に入るとまず目に入ってくるのが充実した設備です。理学療法を行う為の治療台やウエイトトレーニングを行う為のパワーラック、ランニングを行う為のトレッドミルがあり、トレッドミルにはフォームを科学的に分析するツールが設置されていました。

動作解析ツールが設置されたトレッドミル

LilyはCertified Running Gait Analyst(認定ランニングゲイトアナリスト)の資格も保持しており、ストライドやピッチ、フォームを可視化できる三次元動作解析システムやOPTOGAITなどのツールを活用する事でランニングフォームを分析していました。

加えて理学療法評価にて身体機能も評価することで傷害の原因、パフォーマンスが上がらない原因を判断していました。

3次元動作解析システム
OPTOGAIT

データを数値だけで分析するのではなく、ランニング動作のビデオや理学療法評価とリンクさせて分析する事で身体の動きの本質を捉えることが出来ていると感じました。

ランニング動作を信頼性の高いスキルで評価し、細かな身体機能も評価した上で傷害予防からパフォーマンスアップまでフォロー出来るスタイルがとても魅力的でした。

最後に

このように1人で評価から行い、トレーニングに落とし込むほど多岐に渡る分野をカバーするLilyがこんな事を言っていました。

One person can’t  know everything (1人では全てを知ることはできない)

Lilyだけでなく、アメリカ出会った理学療法士やコーチ、トレーナーは皆同じ事を言っていました。実際に現場で選手を取り巻く環境としてコーチやトレーナー、理学療法士など多くのスタッフがそれぞれの明確な役割を持って関わっていました。
日本でもこのようなスタイルが確立されると報われる選手も増えると信じています。

FIRST TRACK
理学療法士 佐橋 魁


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