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「新しい働き方」という選択肢

 夏休みをかけて『フリーエージェント社会の到来 -組織に雇われない新しい働き方(著ダニエル・ピンク)』を読んだ。 この本が出版されたのは2002年だが、ここに書かれてる「新しい働き方」は今でも新しいままだ。

 ただ、さすがに時代を感じる箇所もあったな。それは新しいオフィスの章で、仕事に必要なインフラが整えられてる場所として「コーヒーショップ」「コピー屋」「インターネットサービスが使える所」をあげて、なぜオススメなのかという理由が10ページに渡って書かれているのだ。コワーキングスペースが街中に溢れてる現在では、これは当たり前なことすぎて、失礼ながらちょっとニヤニヤしてしまった…。しかし、そんな今では当たり前なことを20年前にドンピシャで言い当ててることがすごい。それに「そもそもこうした場所のインフラが集約されて出来たのがコワーキングスペースなんだよな。だから便利なんだよな」と思い出せた。そしてこの本には、そんな改めての気づかされることがたくさん書かれていた。これまでに私は長岡ゼミでライフスタイルやワークスタイルを自ら選んで決める人を数多く見てきた。あの人たちは正に新しい働き方を実践している人たちで、フリーエージェントだったのだ。だから帰納的ではあるが、「あの人たちが実践していることってそもそもこういうことだったよね!」という発見が多かった。

そんな新しい働き方を実践するのがフリーエージェントだとしたら、古い働き方とはなんだろうか?それは組織に決められたルールに忠実に働くオーガニゼーション・マンだろう。実際、本書の中でも前時代の遺物とまで書かれている。やっぱり私が格好いいと思うのは時間も場所もカスタマイズして自分のスタイルで働く新しい人たちだ。好んで、そうした人たちを追いかけてる。正直、古くて格好わるい組織人間はフリーエージェントに取って代わるべきくらいに思っていた。頭に浮かんだのは「組織人間VSフリーエージェント」という対立だ。

しかし、この本を読んでの1番の改めての気づきは、”フリー・エージェントはあくまで選択肢のひとつにすぎない”ということだ。そもそもの成り立ちから追っていけば、組織に忠実であることが1番高い成果を出せた「組織人間」の時代があり、そこからダニエル・ピンクのように組織より自分のスタイルをつくっていった方がハイパフォーマンスを出せると考える人たちが生まれていき、フリーエージェントという名前が後からついた。

つまり自分のスタイルで働くことは選択肢に過ぎないのだ。そして、それは組織の中にいながら実現をしてる人もいる。そもそもこうした働き方は強要できるものじゃないし、取って代わるなんて狭い考え方だった。「組織人間VSフリーエージェント」というよりも、自分のスタイルで働くという選択肢がこの20年で明るくなってきて、前よりも働き方が多様になったんだくらいに考えた方がいいのかもしれない。なので、大切なのは多様な選択肢の中から何を選ぶのかだ。どんな場所で、どんな時間に、どんな働き方をするのか、オーダーメイドする。それともテンプレートから選ぶのか。多様な分、選択はより難しく、どうするかは自分次第だな。





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