画像1

vol.2 タケゾウ先生のボロ戸建て不動産投資講義

タケゾウ 聖丁倶楽部
00:00 | 00:00

※試聴版。オリジナル版(58:02)は購入後に視聴可能。

第二話(全六話)
「ボロ戸建投資」。この単語は令和の時代に一気に浸透したように思う。「FIRE」という単語ともセットで、一世を風靡したことも記憶に新しい。それまで、平成の世においてはボロ戸建というカテゴリーは不動産投資の中では少数派…言ってしまえば変わり者だった。RCマンションや木造アパートが不動産投資の主流の時代において、ボロ戸建というのは、傍流も傍流の、少数民族のような扱いの勢力だった。それが今や書店やネットーー大衆週刊誌、SNS、YouTube…では、立派な「競技」のひとつであると喧伝されている。確かに、ボロ戸建は、物件の取得金額が低めで、小資本の者でも手を出せる範疇であることが大きな理由であろう。それまで、数千万円、数億円の初期資本が必要で、その調達には銀行融資が必須、そして頭金もその1~2割は必要だったことを考えると、数十〜百万円で完結できる可能性があるボロ戸建は、多くの不動産大家ワナビー、つまりは「不労所得を得たい勢」にとっては夢のある話である。この文章を目にしているあなたもまた、何かしらの媒体でボロ戸建やFIREという単語から入り、様々な紆余曲折があってここに辿り着いたはずだ。

「不労所得を得たい勢」は、何を目指しているのか?それは生殺与奪権の回復であろう。多くの人は公務員や会社員として「勤め人」をしている。この勤め人である限りは、勤務先に時間を管理され、生活の糧である給与を握られて、そして上司からの「評価」という昇給に影響する(ように思える)ものを気にしながら、日々を生きている。非常に窮屈さを感じるが、それが大半の人の人生であり、多くの人はそれを致し方ないものとして甘んじ、受け入れながら生きている。それが普通の人生であると。尋常なる生涯であると。そう親や教師から教えられたそのままに飲み込んできた。しかしこれはおかしいのではないか?と気が付き、模索して足掻く人達が、行き着く先は給与という鎖からの脱却である。そう、有体に言えば「まずはカネ」なのだ。生活費のアテがないから、給与を手に入れるべく就職をする。そして生活の糧にする。しかしながらよくよく考えてみると、その生活費は別に給与でなくても良いのではないか?自分で商売をして、そこから利益を得る方法でも確保ができるのではないか?その気付きと、ほんの一握りの勇気、もしくは生殺与奪権を握られていることへの拒否反応が、人々を「副収入」へ駆動する。そうして調査が始まり、副収入を得るには勤め先を分散したり、自分で事業を興すといった選択肢があると知る。しかしながら、それらの道は、まとまった量の時間の投入を要することにも気が付く。となれば、現在の勤め人仕事をしながら、並行させていくことは難しいことも悟る。やはり副収入の道は難しいのかーーと思い諦めかけるところに目に入る「不労所得」の四文字。その中身は株やFX、仮想通貨といったいわゆる「紙の資産」から始まるが、これらはリスクも大きく、また参加者も世界規模であり生業としている職業人や、個人投資家が多いこともわかり、なかなか不労所得とも呼べないのではないか、と思う。それに続いて発見するのが「不動産」というカテゴリーで、そこからの流れは冒頭に述べた通りである。そうして、給与という生殺与奪権を握られた状態からの脱却を目指す、持たざる者たちは、ボロ戸建投資に行き着くのだ。

不動産投資はよく、「不労所得」と呼ばれる。労することがない所得。勤め人をしながら副収入を確保したい人々には、これ以上なく甘美な響きだ。そうして、言葉に引きずられるカモ思考の層はツーブロックゴリラに一本釣りされて、ワンルームマンション投資へ嵌め込まれていくのだがーーしかし筋は悪くない。不動産による安定収入は、他の事業よりも圧倒的に「堅い」からだ。ただ問題なのは「不労」だと本気で思ってしまうところにある。

およそこの世に、労することなく収入を得られることなどあろうか?と、知恵あるものならば気が付く。何かを得るには、何らかの対価もまた必要だと。不動産投資は、その初期に大きな「労」をするからこそ、その後に「労」をすることが少なくなる、という意味で不労と言われているのだ。そう捉えるならば、不動産投資はやはり筋がいい商売であると、副収入のソースであると考えることができよう。

まずはこの前提があった上で、ボロ戸建投資について考えてみたい。ボロ戸建投資を志した人は最初に、ネットで物件を捜索する。首都圏に住む人は特に、そこで思い知る。

「数十万円で売られている物件など、無いじゃないか」

そして適当な地方・田舎を検索すると、確かに見つかる。しかしあまりにも遠いとか、物件が古過ぎるとか、再建築不可だとか、市街化調整区域であるとか、擁壁があるとか、色々と問題がある物件ばかりが安いのだとも気が付く。そうして、「やはり不動産投資は、難しい」と諦めてしまうのがお決まりのパターンとなりつつある。このオーディオにおいては、この一連の流れに対し「そんなことはないぞ」と一石を投ずるべく力強く答えてくれるDIY大家界の重鎮・タケゾウ師匠と聖丁、そして駆け出しDIYヤーのネイビー氏の声を収めた。

これから続くVol.3以降の紹介文においても、その詳細を紹介していくが、その全編にわたって根底にあるのはメンタルーー心の持ちよう、である。

不動産は、よく「投資」と呼ばれる。その「投資」というニュアンスは、利回りであるとか、売却益で何倍になった、といった株やFX、仮想通貨のような「投資」と似たようなニュアンスを感じるが、これが良くない。

不動産は、明らかに「事業」である。投資っぽいが、投資ではなく、立派な事業なのだ。ゆえに投資家としてではなく、事業家としてのマインドで取り組まなくては不動産で成功することはできない。いかに知識を身につけようと、どれほどの手技を身につけようとも、事業家マインドが伴うことなくしてはどこかでつまずいて、大怪我をして退場となる。本作ではそのことについて、様々な角度からレクチャーを行なった。不動産の事業家は、どんなことを考えて行動しているのか。その思考回路を知ることから、長い道のりの第一歩は始まっていく。

つづく

著・ヤコバシ

ここから先は

¥ 1,680

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?