vol.4 勤め人の傍ら転売業を手掛けてノウハウを手に入れ、輸入総代理店に成って若くして豊かに勤め人卒業する方法

vol.4 勤め人の傍ら転売業を手掛けてノウハウを手に入れ、輸入総代理店に成って若くして豊かに勤め人卒業する方法

シマンコフ 聖丁倶楽部
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※試聴版。オリジナル版(57:04)は購入後に視聴可能。

その4

第四話(全六話)
本作の題名は『勤め人の傍ら転売業を仕掛けてノウハウを手に入れ、輸入総代理店に成って若くして豊かに勤め人卒業する方法』となっている。

今一度、この表題を味わってみる。まず『勤め人の傍ら転売業を仕掛けてノウハウを手に入れ』の部分。まさに字面の通りだが、勤め人の傍らで行なっているというところがポイントだ。最初からノウハウがあったわけではないし、勤め人をしながら積み上げたということだ。そして続いて『輸入総代理店に成って』この部分。この部分が新しく感じるリスナーも多いのではないだろうか。世に転売ヤーという言葉が知れ渡り、また実践を試みたものの、その難しさ・大変さを味わった人であれば尚更だろう。「その手があったか」と。もしくは勤め人の仕事で、似たような取引先を既に見たことがある人もピンときたのではないだろうか。

『輸入総代理店』と聞くと、大企業しかできないことのように感じる。有名な海外ブランドのアパレルを日本で販売する権利を持っているとか、世界的企業からの原材料を取り扱う権利を持っているなどのケースは実際にあり、とても強い利権となっている。また関連して「並行輸入」という単語も聞き覚えがある人もいるかと思う。

本作の最大のポイントはこの部分で、単なる転売ヤーに終始するのではなく、そこから一段、いや、数段登った先の上位クラスである「商人」「専門商社」へのジョブチェンジを目指すという試みである。そんな初級ジョブとも呼べる「転売」のことについてまずは触れてみたい。

転売ヤーの朝は早い。

早朝、まずは取り扱い商品の相場をチェックする。売れ行きを見る。いくらで売れているかを確認する。いわゆる「買い板」の調査である。買い板が十分にあると判断できたら、続いては仕入れだ。安く仕入れができて、利ザヤを抜ける先を探す。相場価格がわかっているから、売値はある程度決まる。あとはそこにいかにはめ込んでいくかが転売ヤーの勝負だ。つまりいかに安く仕入れるか、だ。メルカリで新着順で検索。安く売っている素人さんを発見。ここからは秒単位での勝負だ。同業の転売ヤーは全国そこかしこにいて、利ザヤが抜けるものは奪い合いだ。ただ、売れることはほぼ確定しているから、長期に在庫を抱えるリスクは少ない。しかし日々、トレンドは変化するし新規参入もある。だから転売ヤーは、日々市況のチェックを欠かさないーーいや、欠かせない、止まれない。仕入れや梱包などの作業も怠れない。

ゆえに転売ヤーの朝は早いのだ。

こうして見ると、転売ヤーの実際とは膨大な作業量に裏打ちされた労働の一種であると考えることもできよう。市場リサーチをして、相場を調べて、安いところを探して、利ザヤを乗せて自分のルートから流す。そこには商品の知識はそこまで必要はなく、ひたすらに数字とデータを追い続ける作業であるとも言える。需要はある。あとはそこにものを流していくだけ。属人性はほぼない。顧客の創造もない。特殊な人脈もツテも要らないーーつまり誰でもできる。だからこそ、転売そのものの参入障壁は低く、世に転売ヤーが溢れているのだ。

しかしながら、この転売ヤーの行為それ自体は咎められるものではない。最近でこそ嫌われがちで転売ヤーなる蔑称もあるが、この行為は人類史では決して珍しい商いではない。これは「商人」や「商社」と呼ばれるもので、古くからある業態である。ただ、行き過ぎた個人の転売ヤーの行為がネット上で取り上げられて、ヘイトを買うから印象が悪いだけであって、ネット普及前にもチケットのダフ屋やら書類仕事だけでサヤを抜く商社はいくらでもいた。もちろんそこには輸送の手間や在庫の機能など一種の「利便性」があったから、ヘイトを買うこともなかったというだけの話だ。極論を言えばスーパーマーケットやコンビニなどの小売店は全て転売ヤーということになる。結局は印象の差であるし、この商売自体は珍しいものではない。

ただし、この小売りや転売業の弱点は、利益率がどうしても低くなるということだ。参入がしやすいから(割と)、どうしても価格勝負になる。そのため薄利多売でいかなければ利益の絶対額を増やせない。ゆえに現代の転売ヤーは月に数万円のお小遣い稼ぎはできても、それを本業として生活費と貯蓄分を稼ぎ切ることが難しい。

そこで本作である。

この一種、閉塞した状況を打破するのが、そう「輸入総代理店成り」だ。通常の転売ヤーが手を出さない領域、忌避する領域を攻める。深掘りしていく。通常、転売ヤーが忌避することとは、利益が読めないことだ。過去データが少ないから需要はわからない、仕入れも、相場もわからない。メーカーの担当者との交渉方法もわからない、怖い、煩わしいーーこういった心理的障壁を、逆に参入障壁となす。これが本作で最大のノウハウと思う。

なぜこのような方式に辿り着けたのか、というのは本作ゲストのシマンコフ氏の半生によるものだ。このことはVol.5紹介文にて詳しく語るが、シマンコフ氏が見つけたこのルートは、人それぞれに再現性が見出せる可能性がある。もちろんそこに至るまでの知識習得やメーカーとの交渉など、苦労はある。その部分は誰にでもできるとは言えないし、特定の何かの分野がオススメなどというものもない。マニュアル化してのような再現性は、難しいかもしれない。しかしその思考法の根っこは同じだ。その根っこを、リスナー各位の土壌でもって育てれば、それぞれ違う種類の木が育ち、違う色の花が咲くのではないか。リスナー各位の土壌とは、個々人が持つ趣味嗜好や人生経験に根ざすものだ。具体的には趣味や興味のあることで、つまりはあなたが日々、お金や時間を使っていることが、あなたの趣味嗜好だ。例えば釣りが好きな人は道具のことや釣り場のことについて、知らず知らずのうちに調べて、詳しくなっていく。命じられて勉強しているわけはない。気の向くままにスマホで情報収集してしまうし、雑誌を読んでいる。

無意味さの忘却、苦にならぬ徒労。すなわち紛れもなく「遊興」だ。この無意識の原動力を利用していく。

自分が持つ色に気がつくことができたなら、それは立派な種となるのだ。

つづく

著・ヤコバシ


白熱教室の使い方について

・オーディオをダウンロードしてスマホ本体にデータを移して、車を運転しながら、皿を洗いながら、洗濯しながら、自炊メシを作りながら、物件でリフォーム作業しながら、朝の目覚まし代わりに、など、何かをしながら聴いていただくのが良いと思います。とにかく「ながら時間」の活用がキモです。
・「ながら時間」とは「すきま時間」ではないので、白熱教室で勉強をするには、本末転倒かもしれませんが、生活の中にとにかくながら時間を作ることですね。でもそのおかげで自分の部屋がぴかぴかに片付くとか、自炊で健康になるとか言う、もう一つ先の本末転倒が起こるはずです。
・何度も聴いていただくのが良いです。だから集中して聴かないのが大事です。何度も聴くと分かりますが、聴こえてくる内容や、気づく事、閃くアイディア、毎回変わります。
・オーディオブック学習は成功者を輩出しまくってきた歴史と伝統と実績ある勉強法の一つでしょう。本を読むのがあんまり得意でない人も全く問題ない。情報を得る事よりも、ぼけーっと繰り返し聴き、自分の中に何かアイディアが出てくるような聴き方
が良い使い方です。

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