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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論774」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第33号(2007.11.25発行)「第5回IHRSA議会・政府サミットを終えて」1~※名称等は当時、一部文章省略

米連邦政府に対するIHRSAのロビイング活動の報告
本年5月にワシントンDCにおいて第5回IHRSA議会・政府サミットが開催された。
これはIHRSAが議会や政府関係者に対して体を動かすことの重要性を啓発し、政策立案への要望・提言を行うべく毎年開催している会合である。

ニューヨーク市のプラスワン・ヘルスマネジメントのジェネラルマネージャー、ヘザー・シャープ氏は、このサミットのスピーカーの1人であった。
彼女はエクササイズの重要性についてはいくらでも語れる自信があったが、議会という場は未経験であったため、ワシントン入りに際してはかなり緊張していた。
しかし、サミットの初日、ある偶然の出会いが彼女の緊張を解くこととなった。
議会のロビーで、とある議員の補佐官に自己紹介をしている最中に、近くのソファーに座っていた男性から突然声を掛けられたのである。
その男性はかつて彼女がパーソナルトレーナーとして指導したクライアントの1人であった。
彼はある議員の代理人としてこのサミットに参加しており、彼女がこれから面会を予定している議員の補佐官とも先ほど面会してきたところであるという。
この偶然の再会が、その後の彼女のワシントンの活動を大いに助けることとなった。
彼女はエクササイズを後押しするような政策が、有権者に対して如何に大きな恩恵をもたらすかを、かつてのクライアントの具体例を挙げつつ説得力をもって語ることが出来たのである。
「彼との偶然の出会いにより、恐怖心が取り除かれ、焦点の定まった効果的なロビイング活動が出来ました。」と彼女は振り返る。

彼女の体験は、フィットネスのプロフェッショナルが政策立案の要望・提言を行う上で持っている本質的な強みをよく物語っている。
エクササイズの重要性を心の底から信じ、その体験を人々と分かち合いたいという強い願いを持ち、また実際に人々がより健康的な生活を送れるようサポートしてきた実績を持つフィットネスプロフェッショナルだからこそ伝えられることがある。
第一線で活躍するこうしたメンバーの直接的な参加によって、IHRSAのロビイング活動は、非常に効果的で質の高いものになっているのである。

~ここまで~

フィットネスのプロフェッショナルが政策立案の要望・提言を直接的な参加によって行うことは、日本でも必要な活動だと思います。
パンデミック初期のフィットネス業界への行政の対応は厳しいものがあり、それは日頃からロビイング活動が他業界に比べ、満足に行われていなかったことで、行政サイドの事業理解が乏しかったことに起因していると個人的には考えております。

もちろん日本にも業界団体は存在し、弊社も加盟しておりますが、各理事によるロビイング活動は関連省庁への不定期訪問に留まっているようです。
現状は、年会費を払っているだけの恩恵をあまり感じることができず、毎年の支払い時に残念な気持ちにどうしてもなってしまいます。

お読みいただきありがとうございました。

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