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2月18日(日):カスタマーハラスメント対策の確認事項②

先月のパワーハラスメント対策に続き、昨日からはカスタマーハラスメント対策について触れています。

昨日はカスタマーハラスメントに対して厚労省が企業対策マニュアルなどを整備するにいたった経緯やカスタマーハラスメントが生じた際の悪影響などを記しました。

本日からはもう少し具体的な話に入っていく予定で、まずは定義から確認をしていきます。

●カスタマーハラスメントの定義
(※厚生労働省「カスタマーハラスメント企業対策マニュアル)

「顧客等からのクレーム・言動のうち、
当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、
当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、
当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」

「態様」はパワハラの際にも出てきましたが、言動などの態度やその時の様子などを指した言葉です。

先の定義の文面だけだとわかりにくい面もあるでしょうから、以下に2つの補足を加えておきます。

●補足①顧客等の「要求の内容が妥当性」を欠く場合
・企業の提供する商品やサービスに瑕疵、過失が認められない場合
・要求の内容が企業の提供する商品やサービスの内容とは関係がない場合

平たくいえば企業が提供した商品やサービスに問題がない場合に、ユーザーがクレームの申立てをして何らかの要求をしてきた場合、それは無効な言いがかりであってカスタマーハラスメントに該当する、ということです。

また仮に企業の提供する商品やサービスに瑕疵や過失があったとしても、申立てをしたユーザーの要求内容がそれとは無関係の場合には、それに応じる必要はないカスタマーハラスメントに類になると捉えることができます。

●補足②「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当」な言動
・要求内容の妥当性にかかわらず不相当とされる可能性が高いもの
身体的な攻撃(暴行・傷害)
精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言)
威圧的な言動
土下座の要求
継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動
拘束的な行動(不退去・居座り・監禁)
差別的な言動
性的な言動
従業員個人への攻撃、要求

・要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があるもの
商品交換の要求/金銭補償の要求
謝罪の要求(土下座を除く)

こちらも付言をしておくと、前者は「要求内容が妥当であったとしても、それを申し立てる際の言動としてやってはいけないこと」が列挙されています。

つまり、ここに該当するような言動であれば、それ自体がカスタマーハラスメントに当たる、との見解です。

続く後者は企業の提供する商品やサービスに瑕疵や過失があった際に、それに対する不服の申立ての要求内容が妥当かどうかの観点で、それが逸脱していた場合にはカスタマーハラスメントになってくる、といった観点です。

具体的には商品の交換や金銭補償で、自分に生じた損失以上のものを要求した場合は、それが不相当だと判断されることになるでしょう。

また接客等での不手際があったとしても、それに対してスタッフに謝罪文を要求したり、会社側に軽微なミスがあった際にそのことをHP上で広く公告することを要求した場合、これは過剰な要求に当たるものと思われます。

以上がカスタマーハラスメントについての定義です。

まずは定義を理解していくことで、それが健全なお客様のクレームなのか、カスタマーハラスメントにあたる事象なのかの線引きがしやすくなるはずです。

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