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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論624」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第19号(2005.7.25発行)「女性専用小規模サーキットスタジオ」1~※名称等は当時、一部文章省略

「カーブス」、「ビーライン」の東京進出1号店を分析する
同業態チェーンとして世界最大手の「カーブス」と、日本最大手「ビーライン」がこの7月、揃って東京にクラブをオープンした。
東京には他にも既に「ボディーズ」「フィッツ・ミー」「Jサーキット」「クイックフィットBM30」などが出店しており、東京にいよいよ主要プレイヤーが出揃うことになる。
本稿ではこのたびオープンを迎えた「カーブス戸越」と「ビーライン中野新橋」にスポットを当てながら同業態の日本での今後の展開可能性を探ることにする。

カーブス戸越
カーブスは日本1号店の立地として戸越を選んだ。
戸越は日本で初めて「銀座」を冠した商店街である「戸越銀座」が有名な東京都品川区下町情緒あふれる街。
「カーブス戸越」は最寄駅である「戸越公園」駅から徒歩3分の大通り沿い角地のテナントビルの3Fに7月4日オープンした。
カーブスは7~8月に東京のそれぞれ性格の違う街に3店舗の出店を発表していたが、1号店が下町の戸越、2号店は高級住宅街の都立大学、3号店は郊外ロードサイドの町田を出店地として選定。
日本での運営ノウハウを蓄積していく計画である。

3店舗とも経営形態は株式会社カーブスジャパンの直営とし、同社の親会社である株式会社ベンチャー・リンクからカーブスジャパンに出向している社員が運営に当たる。
1店舗当たり社員2名体制で運営していく。
カーブスのビジネスモデルは延床面積40坪程度で坪当たり月家賃1万円(月家賃40万円)、人件費は月60万円程度、その他販促費や水道光熱費が掛かるがシャワーなどが無い為、月々のコストは150万円以下で運営できる。
月会費は同社が独自に行った消費者アンケートや、米国の価格指標であるビッグマック指数、世界の購買力平価などを総合して5,900円に決定。
損益分岐会員数は250名前後になると想定している。
成熟時の会員数は400名で月当たりの売り上げは236万円、初期投資は1000~1500万円で、償却前利益が月80~100万円、初期投資の回収期間は12~18ヶ月と見ている。

~ここまで~

カーブスの記事はこれまで何回か取り上げてきましたが、今では2000店舗体制となった黎明期の状況を知ることができる貴重な資料だと思います。

エリアマーケティングを担当するアバター近藤としては、1~3号店の出店場所がとても興味深いです。

町田は多くの業態のクラブが乱立するエリアということで納得、都立大学もちょうど良いレベルの高級住宅街ということで納得、1号店の戸越が記憶にもありませんでしたので意外の一言です。

ただ、当時は小型クラブ自体がほぼ皆無という状況で、戸越公園駅チカにフィットネス施設開発の発想自体が湧かないと思われ、この地で成立することができれば、日本各地のそれに近しい場所に出店可能ということになりますので、企業として初めから大きな絵を描いていたことがなんとなく理解できます。

お読みいただきありがとうございました。

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