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12月1日(金):価格変更とそれを下支えする価値

先般にはサントリーが2024年4月からウイスキーの価格変更をする旨の発表がありましたので、本日はそれに関連した話を少しばかり。

価格変更の一部は以下のようになっています。

・サントリーウイスキー 響 30年
・サントリーシングルモルトウイスキー 山崎 25年
・サントリーシングルモルトウイスキー 白州 25年
旧価格:「160,000円」 → 新価格:「360,000円」(価格改定率125%)

・サントリーシングルモルトウイスキー 山崎 12年
・サントリーシングルモルトウイスキー 白州 12年
旧価格:「10,000円」 → 新価格:「15,000円」(価格改定率50%)

率直に驚いたのは、その値上げ幅で新価格は旧価格の1.5倍や2倍以上の価格設定ですからね。

私たちはスクール制の小型フィットネスクラブを運営しており、2024年1月から月会費等の価格変更のお願いをさせてもらいましたが、その変更幅は10%前後です。

それでも最後までどうするかを逡巡したわけですが、前述したウイスキーの変更幅はそれをはるかに上回るものでした。

この価格設定ができるのは、それだけ価値に対する揺るぎない自信があるからなのだと思いますね。

ちょうど先週の日経ビジネスにおける巻頭インタビュー「有訓無訓」のコーナーではサントリーのチーフブレンダーの方でした。

チーフブレンダーは「最後の品質の守護者」と言われているそうで、品質にだけは妥協しないという強い意思を代々のチーフブレンダーが貫いてきたといいます。

こうした品質に対する確固たる姿勢には尊敬に値するし、それとあわせて感銘を受けたのは次世代へバトンを託す思いです。

品質を保つためには伝統的な製法にこだわるだけではなく、新しいチャレンジもそこに加えていくそうですが、そうした新しい挑戦をして仕込んだ原酒を自らがブレンドする機会はめぐってきません。

「山崎55年」であれば、55年間それを熟成させることになるからです。

いま自分が手掛けた仕込みがユーザーの口に含まれて日の目を見るのは55年後だからそれを見届けるのも難しいし、そのブレンドもまた55年後の後進へ託すしかありません。

反対に自分が現役時にブレンドする原酒は何年も前に先人が仕込んでくれたものを使うわけで、それまでに紡がれてきた時間の流れ、責任を背負ってブレンドをすることになります。

このように先人からバトンを託されて品質を守り、そしてまた後進へとバトンを託していく、そんな物語があるからこそ前述した価格の変更幅なんだと思うと、そこに納得感も生まれました。

こうした姿勢を見習いながら、私たちも自社の事業領域において提供するサービスの価値を高め続けていければと思います。

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