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3月29日(火):躍進ブランドと中程度撹乱仮設

昨日は日経ビジネスの特集からブランド・ジャパン2022で躍進した食品関連のブランドのことに触れました。

湖池屋では「消費者のインサイトを丹念に拾い上げる姿勢とそれを活かす開発力」、モスバーガーでは「地道な取り組みと機会の合致」など、それぞれにブランド価値を高めるだけの理由がありました。

こうしたコロナ禍で躍進したブランドを見た時に、ふと自分の頭に浮かんだことのひとつが中程度撹乱仮説です。

こちらは生態学者が海洋生物の数と環境の変化との関係を調査したことによる考察で、端的にいえば撹乱の程度(環境の変化)が大き過ぎても、小さ過ぎても生存できる生物の種類は少なくなることを説明しています。

気候的なものなど変化が大き過ぎると生物は変化に対応できなくなって生存が脅かされるのは想像しやすいと思います。

それゆえに環境変化が小さいことは生物にとっては安定して望ましい状況に感じますが、そうでもないみたいですね。

あまりにも変化がない環境だと生物同士の激しい競争が生じて強いものが生き残り、弱者は淘汰されるために結果として生息できる生物の数は少なくなるのだそうです。

そのため撹乱によって様々な環境が生まれることで、たくさんの生態学的なニッチ(生態的地位)が現れ、フラットな競争下よりも多くの種類の弱い生き物が生存の場を得られる、という観点です。

昨日に挙げたランキング上で躍進した企業はどれも名の通った企業やブランドであるだけに、それを弱い生き物と括ってしまうのは失礼ですが、少なくとも安定した環境よりも、変化のある不安定な環境のほうが、多くの弱者にとってのチャンスであることは確かでしょう。

そして、この点は私たちにとっても大事な示唆だと思っています。

自分たちは完全な弱者のポジションなので、変化をウェルカムなものとして捉えるべきだし、そのなかで良好に変わり続けることにこそチャンスがあるはずです。

自社でいえばコロナ以前からそれまでのフィットネス業界のトレンドには半ば背を向ける形で小型クラブの運営を手掛けてきましたが、そのあたりが幸いして結果的にコロナ禍でのお客様の高い継続率に支えられて事なきを得ました。

今後も変化を前向きに捉えるのはもちろんですが、必要に迫られて変わるよりも自分たちで変化を主導するつもりでやっていきます。


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