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10月15日(土):規模の大小の前に大事なこと

このところは「Sports&Wellness Weekカンファレンス2022名古屋」で私が登壇予定のパネルディスカッションに付随したことを記していますが、本日も関連した話を少しばかり。

昨日は「大から小へ」とダウンサイジングをすることでスケールメリットとは対極にある「スモールメリット」が得られることに触れました。

物事には二面性があるから、何かが「ない」ということは一方で別なものが「ある」ということへの裏返しが可能で、小さいからこそ得られる利点を活かす観点です。

前述した点は大型クラブと小型クラブとを対比する視点での捉え方ですが、それとは別の普遍的な観点での大事なことは「いかにお客様へ目を向けているか」だと思っています。

此度のコロナ禍でのマイナス影響を大型クラブと小型クラブで比較すると、小型クラブのほうが軽微で済んでわけですが、だからといって小型クラブのほうが優れていて、大型クラブがダメなんだ、という単純な話ではありません。

小型クラブのなかにも良いクラブもあれば悪いクラブもあるし、大型クラブのなかでも良いクラブもあれば悪いクラブがあるだけの話です。

つまりクラブの規模の大小がすべてを分かつような決定的要因ではない、ということです。

それよりも、もっと根本的で大事な点はお客様へ目を向け、そこから物事を発想してサービスをしているかどうか、ですね。

こうやって文字にすると、そんなことは「当たり前だ」と言われるでしょうし、アタマではそれも分かっているけれども、いざ実際の運営になるとそこから外れてしまうことも少なくありません。

では、お客様ではなく、何に目が奪われてしまうかを見ていきましょう。

小型クラブでの「あるある」は、パーソナルトレーナーにありがちな「自分のやりたいこと」や「お金」に始まり、自分の「自由」や「独立」などの欲が起点になる類です。

これに対して大型クラブだと「組織の論理」や「ヒエラルキー」、それによる「保身」のほか、「数字」や「効率」、「競合」、「トレンド」など、会社や自分を「守る」ための判断が中心です。

これらの要素のすべてが悪いわけではありませんが、それが過剰になれば目が曇るし、判断も誤ったものになっていきます。

その結果としてクラブでやっていることが次第にお客様の望むものから外れ、最終的にはお客様の退会や売上減を招く流れです。

少し話は飛びますが、先日に入ったラーメン屋さんの店主が教えてくれたのは、店主が以前に仕事をしていた繁盛店のいきさつです。

その昔に地元の人が良く知る繁盛店では年に1億5,000万円も利益が出ていたそうですが、店長の引退後にオーナーが運営にタッチするようになったことで運営方針が変わり、利益は半分になった挙句にやがては閉店に、という残念な経緯でした。

そこに入り込んできたのは欲をはじめ、無知と無茶による数字や効率の押し付け、お客様のニーズとは違う商品ラインナップなどです。

このラーメン店であれば繁盛時も閉店時もお店の規模は同じであって、規模の大小が成否を決めたわけではありません。

同じ規模でも運営主体が違うだけで、このような結果になるわけです。

先のラーメン店であれば味なども変わってしまったようですが、それも含めて根本にあるのは「お客様を見ようとしているか」の違いに行き着きます。

だから大型クラブだから、とか小型クラブだから、といった議論の前に、まず最初にあるべきなのは「お客様に目を向ける」ことだと思っています。

明日も関連の話を続ける予定です。

●セミナータイトル
「トレーナー力を活かした小規模ジムの運営-活かしきれていない「個」・「小」・「地」を活かす、次代の経営」

●概要
コロナ禍により、逆転現象がみられている。かつては、資本力のある大企業、大型の施設、都心の駅前立地が、大きく成功するための要件とされていたところがあったが、今は、必ずしも資本力が乏しい個人であっても、トレーナーとしての本質的な能力を備え、たとえ都市近郊の住宅地や地方郊外のロードサイドに立地した小型の施設でも、地域密着ぶりを活かして経営を成り立たせることができるようになってきている。むしろ顧客の立場からみると、こうした「個」・「小」・「地」を活かしたジムのほうが、運動初心者とトレーナーの間にエンゲージメントが醸成されやすく、運動習慣化も達成しやすいという傾向もみてとれる。一トレーナーが、小規模でコンセプトがわかりやすいジムを開発、運営し、サクセスフルに成長していくためのキーポイントを探りたい。

・開催日時:11月11日(金)11時~12時30分

・会場:ポートメッセなごや

セミナーへの申し込みは以下、SPORTECのサイトからお願いします。

Sports&Wellness Weekカンファレンス2022名古屋
ポートメッセ セミナーⅡ 【A-7】

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