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【詩】娘と滑る(2023.4)

砕けた氷の粒がしゃらしゃらと
さざ波のように広がっていく

大きく開かれた2本のスキーの上で
波の先頭をゆっくり進む小さな女の子

彼女は滑り終えると突然言った
ポニョの気分だった
波の魚を引き連れて
海を走るポニョの気分だった



砕けた氷の粒は
今度はさざ波から大きな滝へと変貌した

女の子は初めて出会ったその不思議な光景を
輝くふたつの瞳でじっと見上げていた

彼女はけらけら言った
ママを滝がずっと追いかけていたよ
でも、追いつかれなかったね

山肌一面に薄く張られた氷を
見栄え良く切り裂いていくことに夢中で
わたしは何ひとつ
気づくことができなかった

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