西に向けて滞りなく

狂ったまま思考は進み続ける
僕らが僕らである必要はない
みしみしと軋む幻を見つめながら
足りない酸素を奪い合う
ザラザラとした画質に
ジャジーなBGMを添えて

手足のないマスターベーションが
頭すら切り落としてしまう
泣き声が聞こえる前に熟れた実が落ちる
少しつんとした甘みが
快楽を首元から放出した
全てを生かすほどの酸素は持ち合わせない

乱列した誓いの粗を見透かした日差し
空の見えない窓からわたし以外を放り投げる
ちっぽけな反抗はその後
取り返しのつかないほどに狂わせてしまった
日に焼けた脚を眺めながら
西に向けて滞りなく

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