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Twitterで詩を書いています。ただひたすらに詩を書いています。たまにコラージュ作り…

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Twitterで詩を書いています。ただひたすらに詩を書いています。たまにコラージュ作ります。

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最近の記事

わたしとわたしの思考のような異物。

異物でないものがあるのなら退屈な宇宙に浮かぶようなもので 途切れ途切れの声すらも愛おしいほどに僕らは異物で出来ている ゆっくりと進む流れ星をひとつまみだけ口に投げ込んで味わう 蜂蜜みたいに甘いそれに記憶があるか問いただしてみると 猫のように転がりながら頬の内側を甘噛みされたりする 縞模様でできた街を見下ろしながらあみだくじみたいに世界は動く 蜂の群れが巣を離れたらわたし達はどうすれば良いのだろう 奥歯に感じる不快感をわたし達と呼べば合点がいくのに 気が付かぬふりをしながらあ

    • 死に損ないの愛

      暖かな日に終わるのならば月が浮かんでいてくれればいい 小さく裂けた唇に滲む赤が私たちに届く頃には 氷のように冷えていてそれらがうまく染み込むことはない 強く押しつぶされてしまった身体 やけにくっきりとした声を上げて笑う夜の雲 死に損ないの生き物と共にわたしの愛は腐っていくし 死に損ないのわたしと共に腐った愛は生きている 見上げた月に願いは届かないと知っている 見捨てた未来だけは容易く届くとも知っている

      • このままどうか、光にならずに

        時として、灰色の空に身を任せる よそ見をすれば飲まれてしまう暴力 平行が続くわたしの身体 このままどうか、光にならずに 動かぬ身体に縛りつけた疾しさに 嘘つきだけを見つける鏡 「知らないでしょう」と丁寧に撫で わたしだけが知らない世界 辿々しい口もとだけが魅力的 力ずくで折り曲げた過去と 嘘をついた空に身を任せる このままどうか、光にならずに

        • 蠢く肌

          曖昧に足を取られながら 孤独でないものの足を取る 性懲りも無く、 ゆく末も分からず、 呼吸を整える、 泡のように消える人々に 気がつかれぬようにもがくのは 抱き合えば容易く揃うはずの 泥濘む場所に立ち上がるため わたしの肌は恐ろしいほど あなたの怒りの代わりに蠢く 明るく惚ける月夜の空が わたしの持たないものをねだっている

        わたしとわたしの思考のような異物。

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        記事

          後悔の滲みでる灯

          不規則な波の音が遠のくたびに 怪しげな灯が弱々しくわたしを呼んでいる 唯一確信の持てることはこの波が わたしを連れて行ってはくれないということ 風に向かい飛び続ける鴎を片手で捕らえ 嬉しげな顔でわたしに差し出す 力なく横たわるわたしの身体には 砂浜を這う無数の海蛆が向かっている 声を出そうと開いた口に飛び込んだのは 遠くで揺れていたはずのわたし 寄せては返す後悔の滲みでる灯

          後悔の滲みでる灯

          満たされた月

          切り取った眠気に食われていく月 押し入る男に何もかもが見つかって 泣いちゃうほどに気分がいい 終わる前に引き返す夜は 上を見下ろし、下を見上げる しっとりとした肌に触れながら ほろほろと解ける街並み 華やかな空に響く鳴き声はどこか甘く 顔を覆い耳をそばだてる 強く締め付けられる痛みを感じながら 欠けた場所に居座る男と 形をなくした街並みを愛す月

          満たされた月

          前夜の病、後夜の夢

          月が顔を出すまで忘れられた衣服は 波紋が消えるまで乾くことはない ケモノの声だけが響く夢に 撥ねられた子と分け合う身体 前夜には後夜があり、 後夜には前夜がある 名誉のために残されたのは病 薬のように寄り添う不幸 しばらく会わないうちに 作り直された街にたどり着くのは 靴紐を結べぬままのわたし 煌めいた夢の星空は訝しげに 気の毒だなと無数の腕を投げ出す

          前夜の病、後夜の夢

          無題

          生真面目な天候が指示を出すせいで わたしの頭が縛られてゆく 肌を這う蔦に食い荒らされた女を 覚えている者などいない 肥えた雀が空に実った 季節外れの華やかな香りは 擦り合わせた枝の先に 恋い焦がれた高く青い天井 見間違えるほどの瞳に 聞き間違えるほどの声 動けぬ姿のまま主人の帰りを待った 飼われているのはわたしだけではなかった 蔦に付けられたちいさな切り傷が じわりと涙を滲ませている 生真面目な天候が主人を連れて来て チュンと鳴いたわたしの頭

          無題

          無題

          剥ぎとられた花びらは未だ鮮やかな黄金を保ち 残された身体には発疹のような醜い痕だけが広がる 小さな花びらのスポットライトの上で影になって踊れば 全てを飲み込んだ香りは呆れるほど簡単に終わってしまう 長い髪に染みついた香りをわたしと呼んで愛するべきか ひと時も休むことなく続く気怠げな移ろいの中で 嘲笑を受ける夜道にわたしの身体を獲物としておき 音がなければ踊れぬか、昨日がなければ生きれぬか 吐き出す香りを待ちわびながらわたしは膿んだ肌を揺らした

          無題

          夏に捕らえられた街

          高温に熱せられた街はいつまでたっても鈍感なままだ 横になった道端に吐き出した情緒というものがへばりつく 大きく振動するように心臓は不規則に疼いている わたしの穴ぼこに放り込んだ陽炎をこの街は知らない 道徳に反した答えよりも汚らしい汗を舐めとれる 季節の死んだ街に木の葉が舞う幻を共有したい 古ぼけて所々が欠けた現にため息を共有したい どこからともなく聞こえる怒鳴り声が赤子の泣き声に変わる まっさらに溶けてしまった この街はわたしと共に 穴ぼこから漂う不快な空気だけが 震えた

          夏に捕らえられた街

          眺めの良い小さな部屋

          細かな心を混ぜ合わせて 自らの口へ詰めたい きつく結んだ靴紐を 解くことができないと泣いたから ここは眺めの良い小さな部屋 消えてしまいそうな幻と 離すまいと泣くわたしは 微睡の中に柔らかな影を見つける 四つ角にある結び目だけを頼りに 曖昧で作られたその部屋が 力のないものだと思い知る 霞んでゆく視界が愛おしいのは 流れる景色をかき消すたびに 渇いた目元が激しく疼くから どこか遠くで揺れる影が欲しい わたしが幻になる前に

          眺めの良い小さな部屋

          太陽は好いているか

          収縮する太陽に熱を帯びた頬を晒した やけに騒がしい昼の街に降り立ち 大まかな見てくれだけを受け入れた ほころびは彫刻刀で彫ったビルに 退屈な瞳をいくつか飾るだけで 思いがけず今年の夏の海に似ていた ちょこまかと動く群れに写るのは 半分に千切れた痛々しい双子の女児 足並みを揃えるふりをしながら 汚れた革靴の踵を何度も狙っている 踏み込む度にじわりと滲み出る光が 来年の夏の海になるのか 慣れたものを好いているのと 慣れぬものを好いているのは どこか似ていて苦々しい 太陽はわた

          太陽は好いているか

          世界にはわたしだけがすべて

          「裸婦のような時間を掻い摘んだ生き方をしている」と聡明なふりをした 誰にも愛されない世界に嫌われた頭痛を誘発する光 異様な美しさを「女である」という言葉で片付けた野郎は 手の届くほどの高さから落ちた優しさで消えていった 漲るような揺蕩うようなしぶきを浴びるたびに泣いた 熱いとも冷たいとも言い切れないような外気に触れた時間 猫撫で声で呼んだ夜の群れに二股になった口づけ 並んでいる乳房に荒れた肌は負けを認めるたびに消えてゆく 望みもせずに愛を手に入れるふりをした 頂上まで上が

          世界にはわたしだけがすべて

          道端で干からびた女の抜け殻

          嘴でついばむ幸せが落ちているのは 汚らしい街の側溝 眺めの良さは誰も知らない 蝶番を壊すたびに飛び立つ 一筋走る線路を見下ろす 赤い駅舎の屋根の下には みすぼらしい女がひとり 鼻をつく匂いに疎まれている 幸せを耳元に飾り付け 耳障りの良い夏の夕刻 道端で干からびた女の抜け殻を 幸せと見間違えて降り立つ 拭い損ねた眠気が内腿を伝う 鐘を鳴らすように身体が壊れていく 嘴でついばむ幸せが落ちているのは 汚らしい女の視線

          道端で干からびた女の抜け殻

          西に向けて滞りなく

          狂ったまま思考は進み続ける 僕らが僕らである必要はない みしみしと軋む幻を見つめながら 足りない酸素を奪い合う ザラザラとした画質に ジャジーなBGMを添えて 手足のないマスターベーションが 頭すら切り落としてしまう 泣き声が聞こえる前に熟れた実が落ちる 少しつんとした甘みが 快楽を首元から放出した 全てを生かすほどの酸素は持ち合わせない 乱列した誓いの粗を見透かした日差し 空の見えない窓からわたし以外を放り投げる ちっぽけな反抗はその後 取り返しのつかないほどに狂わせて

          西に向けて滞りなく

          幻の春と満開の秘密

          まぶたの裏に終わらぬロード画面 地響きに共鳴する耳鳴りに応えた 天井の隅で動かなかった蜘蛛が落ちると 押し寄せる風がスカートを触った 含みを持たせた幻の春に 花の声は聴きたくないのに留まっている もういいよ、もういいよと騒ぐ 屋上から見下ろす陽炎の涙 画面はエラーを表示して ハッピーエンドかバッドエンドか ぷつぷつと切れる花の声に 陽炎に飛び込む体から飛び出る わたしの頬を蜘蛛が這う わたしの頬を蜘蛛が這う

          幻の春と満開の秘密