無題

剥ぎとられた花びらは未だ鮮やかな黄金を保ち
残された身体には発疹のような醜い痕だけが広がる
小さな花びらのスポットライトの上で影になって踊れば
全てを飲み込んだ香りは呆れるほど簡単に終わってしまう

長い髪に染みついた香りをわたしと呼んで愛するべきか
ひと時も休むことなく続く気怠げな移ろいの中で
嘲笑を受ける夜道にわたしの身体を獲物としておき
音がなければ踊れぬか、昨日がなければ生きれぬか

吐き出す香りを待ちわびながらわたしは膿んだ肌を揺らした

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