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これからはじめる、ガチスマートホーム計画

久しぶりに自宅のスマートハウス環境をアップデートしたので、色々とポイントをメモ。あわせて、Takramさんと対談した「スマートじゃない家電」のポッドキャスト貼っときます。


スマートホームを作るポイント

イカしたスマートハウスを作るルールはたった1つ。

「スマート冷蔵庫とかスマート洗濯機とか、そういうのは買うな」

ああいう大物スマート家電は言うほどスマートではない。価格が高い割に賞味期限が短く、なけなしのボーナスを突っ込んで買っても、来年にはサービスが停止しているかもしれない。高額リスク案件だ。

あと裏情報として、大手のIoT家電は「弊社もIoTを!』みたいな雑なノリか、「消費者の利用データが取りたい」という企業目線ではじまった企画が多い。つまり、ユーザー視点では生活が便利にならない。

さらにお国の指針で、日本では「遠隔でオンにするタイプのスマート家電」が大手からは事実上出せない。遠隔からオンにできないスマート家電は、多くの場合戦力外なので、もう無視するしかない。

ガチIoT野郎が使うのは、もっとアナログな家電がメインだ。アナログ家電を、スマートプラグや、スマートスイッチやスマートリモコンでブーストさせるのだ。


IoTレイヤと家電レイヤを分離しろ

家電そのものに、IoTの通信や処理パートを埋め込むのはリスクだ。価格が高くなるし、賞味期限が短くなるし、お気に入りの製品を選びにくくなる。

ガチIoT野郎が投資するのは、センサーであり、スイッチであり、プラグだ。そういった入出力の末端をIoT化することで、普段から使い慣れた品物をパワーアップできる。壊れても、古くなっても、家電部分を普通に買い換えるだけで済む。スマートテレビを買うな、Chromecastを買うのだ。

・電源供給パート(プラグ)をIoT化する
・操作パート(物理)をIoT化する
・操作パート(リモコン)をIoT化する
・操作パート(音声)をIoT化する

あとスマート家電を単体で買ってくと、制御アプリとアカウントが地獄のような個数になる。スマートプラグやスイッチでまとめれば、制御アプリや連携が統一できるのもポイントが高い。

ただしスマート体重計とか、センサーが価値の本質なものなどは買っても良い。


自宅のドアをGoogle Homeから開けられるようにする

人生のコスパ的にはドアこそが、最優先のスマート化対象だ。

オフィスのドアはAkeruを愛用していたのだが、残念ながらAkerunはGoogle Homeに対応していない。Google Homeからドアをあけるには、セサミスマートロックがよい。あと工事がいらないのもポイント高い。

ちなみにセサミは直接Google AssistantでアンロックできないのでIFTTTをかまそう。



スマートプラグで、アナログ家電をIoT化する

スマートプラグは遠隔操作できる電源プラグだ。これを使えば、昭和の扇風機だろうが、ビクトリア時代のランプだろうが、今日からみんなIoTだ。

こういう中間デバイスで、旧デバイスを近代化することこそが、真にオススメできるIoTである。

電源がオンにできないスマート洗濯機とか、そういうのは人類にはまだ早すぎる。買うな。

普通のIoT機器は3年後にサポートが止まってる可能性が高いし、違うメーカーに移動したらUIも制御系も全部が変わってしまう。スマートプラグなら、違うメーカーの家電に買い換えようが、家電が故障しようが問題ない。仮にスマートプラグ自身のサポートが終わっても、別のスマートプラグに移動するだけならリスクも低い。何より、商品選択の幅が無限に広がるのが素晴らしい。

ただし高熱系は正直怖い。コタツとか電気カーペットを繋ぐのは、できるだけ控えておこう。


SwitchBotで、アナログ家電のボタンを制御する

物理でスイッチを押してくれるマシーン。普通の家電のスイッチに貼っておけば、ロボがスイッチを押してくれる。これを使えば、昭和の扇風機だろうが、ビクトリア時代のランプだろうが、今日からみんなIoTだ。真にオススメできるIoTである

スマートプラグと違い、こちらはスイッチのOn/Offを制御できる。雑に電源コントロールするより、よりきめの細かい操作をしたいときに便利。このホームコントローラーで赤外線リモコンも制御できるので、大抵のものはなんとかなる。 技適マークもあるので合法的に使える。

自分は、エントランス解錠ボタンをIoT化してる。これで鍵いらずでマンションの入り口をあけて帰れる。

ときにはスマートスイッチの設置部分の面積が足りなかったり、うまくスイッチが貼れない場合がある。そんなときは、熱可塑性プラスチックやの出番だ。これはお湯につけると柔らかくなるプラスチック。

こいつで段差や凸凹や斜めのパートを穴埋めして、スイッチを固定する台座を作ろう。接着剤やパテと違って、ドライヤーとかで温めればやり直しがきくのもポイントが高い。剥がせるシリコン粘着剤もよい。


Google Homeのルーティーン機能で連携をつくれ

ルーティーンという機能を使うことで、複数のIoT機器を同時操作できる。

例えば、「おやすみ」という言葉に対して、電気を消し、音楽をつけ、アラームをセットする…といったコンボをつけられる。

たとえば「お風呂の灯りをつけると同時に、音楽を流す」といったコンボは、色々と捗る。Switch Botを3台ぐらい駆使してルーティーンを作れば、「洗濯機の電源を入れる、モード設定、スタート」なども制御できる。

コストをかけてよければ、条件分岐のない問題は、ほぼこれで解決する



Google HomeとSlackと秘書サービスを連結する

IFTTTでGoogle HomeとSlackを連結したら、さらに秘書サービスCasterを連結する。

Google Homeから、Slackに常駐させた秘書さんへとメッセージを送れば、事実上あらゆるものがGoogle Homeに統合できる。

「Ok Google お昼ご飯をお願い → Slackにメッセージ転送 → 秘書さんがUber Eatsを注文してくれる」
「Ok Google 登記簿謄本をとりよせて → Slackに転送 → 秘書さんが登記簿をとりよせてくれる」
「Ok Google 人間ドックの予約をお願い → Slackに転送 → 秘書さんが人間ドックの予約を手配してくれる」

簡易的にやる場合はIFTTTで解決するとよさげ。ガチにやる場合は、DialogflowやBotkitを使おう


スマートウォッチに統合する

最近はGoogle AssistantをSiriから呼び出せる。iPhoneユーザーも、Apple WatchとGoogle Assistantを連結することで、上記を腕時計から起動できる。

Siriに「OK Google ドアをあけて」と言うと、「違うアシスタントじゃありませんか?」などとツンデレコメントを出しながら、ちゃんとGoogle Assistantに命令を転送してくれる。素晴らしい。


まとめ

というわけで、自宅のスマートホーム環境をアップデートした知見をまとめてみた。基本は、スマートホームのためにスマート家電は買わない。スイッチやプラグやリモコンや、そういったものをスマート化させて、スマートと家電を分離するのがポイントだ。

技適に準拠しつつ、感電死と焼死に気をつけて、楽しいスマートホームライフをお楽しみください。その辺は自己責任で。

まとめ
・高価なスマート家電はハイリスクなので買わない
・Iotはコンセント、リモコン、スイッチを買う
・Google Homeと秘書さん(あるいは家族)を連結すると最強




おまけ

困った時に活躍する便利グッズ


ケーブル隠すやつ。上面にロゴとかないのがポイント高い。


電球のソケットサイズを変えるやつ。PhillipのHUEで家の電球を統一するために便利。



いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。