noteにおける情報商材について雑感

たまにカスタマーサポートに、「あれって情報商材ではないのですか?」とか「私の記事は消されたのに、なんであの人の記事はOKなの?」という質問が寄せられます。今日はそのあたりへの雑感をば。

一般的なサービスではこのような質問に対し、以下のような返答がなされます。

・個別事例への判断にはお答えできません
・審査基準の詳細はお答えできません。

大抵の企業は、コミュニケーションすらしてくれません。なぜ、どのサービスもこのような回答をするのというと…

・あの手この手で規約を回避する人々が出てくるため
・適正チェック担当が複数いると、ガイドラインがあってもジャッジにブレが出るため
・CSリソースを、微妙な記事のチキンレースで浪費したくない。
・NG基準は運用通じて適宜アップデートされるが、そのたびに規約変更をかけたくないため

といった理由が考えられます。要はチェック基準を厳密に公開しても、コストとリスクは増大するのに、メリットがほとんどないわけですね。

会社としては正しい対応ですが、僕としては、可能な範囲ではケアしてあげたい問題です。…なので、非公式ながら見解をば。

以下、大きくはnoteチームの考えと捉えてもらって大丈夫ですが、一字一句完璧にそのような運用されてる保証はできません。noteのコンテンツ確認チームは僕とは独立してるので、細かい解釈が違うこともあり得ます。あくまで大まかな指針と考えてください。


noteのいう情報商材って?

禁止事項に当たる「情報商材」とは何をさすのか? 

ざっくり言うと、「消費者庁にGO」や「警察にGO」クラスの記事販売はNGという意味です。そうでない場合はケースバイケース…というのが実情です。つまり「情報商材詐欺」はNGということですね。「1日30分であなたも絶対に月収100万円」みたいなやつです。

もともとは、当時横行していた「マルチまがいの情報商材」への対策で存在していた文言のようです。内容よりも「売り方」への対処ですね。

一方で、「ノウハウの販売」そのものは、なかなか判断が難しいグレーゾーンです。「1日30分であなたも絶対に月収100万円」は高確率でアウトな一方で、「生産性の上がるフォトショップテク」はどうなのか?「実際に上場した人の起業論」は実現不可能な商法に分類できるのか?…といったものですね。これはもう個別に判断するしかありません。

このバランスはとても難しいものです。noteの理念としては、「投稿物の多様性」も担保しなければいけませんが、同時に緩くしすぎると「健全性」が守れなくなりそうです。内容確認では、このバランスが常にせめぎあっています。

ですので内容確認の雰囲気としては、「NGのものは消去」しつつ「グレーのものは非推奨扱い」という二段階構成をとっています。大まかな(非公式)見解としては、コンテンツは以下のように分類されています。


推奨
note編集部の人が良い、あるいは世に広まるべきと考えるコンテンツ。「おすすめ」「公式マガジン」「公式ツイート」「編集会議」などで紹介されます。

非公式推奨
noteチームの個人が良い、あるいは世に広まるべきと考えるコンテンツ。「公式マガジン」「個々人の記事」「個々人のマガジン」「個々人のツイート」などで紹介されます。

中立
大半の記事です。90%ぐらいはここにカテゴライズされます。PVやスキ数などに応じて自動で、「ピックアップ」「注目」「人気」などで紹介されます。

非推奨
ポリシーに反しておりnoteチームとしては推奨しないが、表現の多様性として保証されるべきもの。同著者のフォロワー以外には、露出しにくくなります。

禁止
ポリシーに反しておりnoteチームとして許容できないもの。チキンレースを挑んでいると判断されるもの。深刻度に応じて記事の未公開化、入金の停止、アカウントの削除などが行われます。


この分類は空港の入国審査ていどには、担当者で揺らぎが発生します。規約ギリギリのエグいお金儲け記事などは、一応存在は許されますが、露出しにくくなる措置が施されます。

ですので、ぶっちゃけ、そういう記事は多分あんまり儲かってないんじゃないでしょうか。そもそも露出しにくいので。

ちなみに、下記のような記事はアウトです。発見したらガンガン通報してください。

本当にアカンやつは容赦無く処理します

確実にNGな内容の例
・優良誤認を意図した記事
・コンテンツの盗用
・犯罪の教唆
・「この記事を売れ」的なマルチ商品
・渋谷駅ロッカーの暗証番号の販売
・その他、法律に抵触するもの

微妙なラインとしては「5文字で1万円」などの記事も、NGとなる可能性が高いです。「可能性が高い」と曖昧な表現なのは、無料長編ミステリで、犯人の名前が有料…などのシナリオが考えられるからです。難しいですね。


noteで書くのをオススメする有料記事

私見ですが、noteで真っ当に有料記事を書く場合、以下の3種類がオススメです。

ニッチ業界の神記事モデル
マニアックすぎて情報が少ない趣味、職業系が必要とする「超役に立つ情報」「面倒なことをまとめてくれた資料」。あなたが超ニッチ業界で信用と実績があり、集客できることが重要です。

同好会モデル
ユーザー同士をつなげる媒介となるメディアです。同好の士を束ね、彼らのインフラ的な作業を受け持つ必要があります。

応援モデル
一番オススメなのは、「あなたの活動や、生き様を応援してくれる人」や「あなたのことが大好きな人」がパトロンとして購読してくれる記事。あなたのことを好きな人が一定数いることが大事です。


最後に

あと、これは注意ごとなのですが…

「noteの書き方」や「noteの売り方」「noteで大儲け!」といったタイプの有料記事は、残念ながらあまり儲からなさそうです。なぜなら近日中に、そのような公式無料コンテンツが出る予定です。

あと「高額な有料noteは、一定分量の試し読みがマスト」といった機能は、将来的に実装される可能性が十分にあります…と非公式に宣言しときます。非公式宣言だけどね!


いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。