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12月のすみれといちご

ベランダのすみっこに置いてある植木鉢に、昨日、ワイルドストロベリーの実が一つ生っているのに気が付きました。匂いスミレも咲いていて、とってもうれしくなりました。

スロバキアの昔話「十二のつきのおくりもの」ご存知ですか?
マルシャークの「森は生きている」のもとになった昔話です。類話がたくさんあるようですが、私が知っているのは、
「十二のつきのおくりもの」(内田莉莎子訳 おはなしのろうそく2 東京子ども図書館)と
「アンナと冬のすみれ」(ネッティ・ローウェンスタイン再話 エリザベス・ハーバー絵 中川千尋 訳 徳間書店)という絵本です。


12月の凍えるほど寒い日に、継母とその連れ子の姉にすみれをとってこいと言われ、森へ追いやられる主人公の女の子(絵本ではアンナ、おはなしではマルーシカ)、
森の中をさまよい歩くうちに、森の奥で12の月の精たちに会い、その助けにより、すみれを摘んで帰ります。
アンナが家に入った時、「すみれの匂いが部屋いっぱいに香りました」とあります。しかし欲深い継母たちは、不平を言って満足せず、いちごやりんごも欲しがり、最後は自分たちで出かけていき、森の中の12の月の精たちに、ねじまがった枯れ木にさせられてしまうというおはなし。

アンナ(絵本)のラストシーンが良いんです!
「アンナは(ひとりでも)さびしくはありませんでした。小さな木の家でしあわせにくらしました」
王子様がでてきて、大きな立派なお城に住むんじゃなくて、「小さな木の家」で、花、野菜、果物が豊かに実る庭の主になって、ひとりで幸せに暮らします。
絵ではアヒルを抱っこしているので、動物たちも暮らしを助けてくれるのがわかります。
「アンナはさびしくはありませんでした」の言葉からアンナが自立した精神を持っていたことが感じられます。

確か熊井明子のエッセイの中に
「一人暮らしを楽しめる人だけが、二人でも幸せに生きていられる」というようなことが書かれていて、納得した記憶があります。
自分の本音で生きていれば(自分自身と繋がっていれば)「寂しくない」というのも聞いたことがあって、確かにその通りと思います。

アンナは今までずっと人に気を使って生きてきたのだから、どうぞゆっくり一人暮らしを楽しんでね。自分の本音を大事にしてねとこの絵本を読むと思ってしまいます。

「十二のつきのおくりもの」のラストは、
「マルーシカは家と庭と畑と牛の主人になりました。そして春が来ると三月(の精)のような美しい若者と結婚して、いつまでも幸せにくらしました」
です。
一人暮らしを楽しんだ後、二人暮らしになったんですね。
いずれにしても、地に足が着いた暮らしが良いなあと思います。

匂いすみれとっても良い香りです。
そしてワイルドストロベリーも、今食べたら、小さいけどイチゴの匂いが
かなり強くて満足しました(*^-^*)

それでは今日も小さな幸せを楽しんで過ごしていきましょう。

あなたにもうれしいことがたくさんありますように♡

読んでくださって本当にありがとうございます。





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