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Daido Moriyama: Shashin Jidai 1981-1988 森山大道:写真時代 1981-1988

Daido Moriyama: Shashin Jidai 1981-1988 
森山大道:写真時代 1981-1988
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「写真よさようなら」を出した後の森山さんは、しばらく何もできない時期が続いた。
「写真よさようなら」の本が大学時代に出版された後の空白があった。

思えば、私が高校時代に、時代の寵児のように、VIVOの写真家の後に続く、新世代の写真家として、プロボークの写真家、森山大道、中平卓馬、高梨豊・・・達の華々しい活躍があった。

その後、森山さんは、「写真よさようなら」に突入していった。

当時、写真に興味のある学生の古い下宿、アパートの汚い畳の上には、安いウイスキーか、酒のビンとともに、ボロボロになった「写真よさようなら」が転がっており、それを足で蹴飛ばしながら、部屋を歩いていた。

森山さんの華々しい活躍は、「写真よさようなら」までで、その後の空白は、痛々しく思えた。
この後、どこに向かうことができるのだろう・・・

写真時代創刊号より 光と影

そうした空白が続いたのちに、私たちの前に、冥界の闇の中に、びらんした白い花びらが浮かぶような写真とともに、森山さんは返ってきた。
それが「写真時代」という、カストリ雑誌のような、あやしい雑誌だった。
良くも悪くも、80年代の写真の混沌とした、ごった煮のような、なんでも詰め込んでしまった雑誌だった。
そこから、新たに森山さんは、歩みを始めた。

その写真時代の森山さんの写真を、今は無くなったネガの代わりに、雑誌を複写して、作られた本がこの度発売される本である。





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