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中平卓馬さんとの遠い思い出

----一緒に沖縄に行こう---- 中平さんと会ったのは、中平さんが急性アルコール中毒から復帰し、その前とは全く違った写真を撮り始めて、2冊目の写真集を出版したころだった。 新宿の薄汚れたビルに、マンションとしゃれた名前がついており、FOTODAIDOといったしゃれたギャラリーの名前がついていたが、実際は古い集合ビルの4階の部屋だった。 そこの狭い部屋をギャラリーとして使って、中平さんの写真展が開かれていた。 そこには、カビネ~4つ切り程度の写真がべたべたと壁に貼られていた

    • ギャラリ-718で開催されている「K&M写真展」

      広島市のギャラリ-718で開催されている「K&M写真展」に行きました。 ギャラリー718は、広島市の中心部にあるほど良い大きさの素敵なギャラリーです。 K&M写真展は、昨年に続き2回目を拝見しました。 出展者のお2人が、ここ数年、写真展をしています。 それぞれの写真世界を、少しずつ手探りしながら作り上げてゆく様子が、とても好感が持てます。 写真展や物を作ることの原点と大切な部分があるように思います。 自分で、自分の写真を作り、どのように展示するか考え、自分の手で展

      • 揺れる 溶ける

        なんでも写るようになり、なんでも見えるように錯覚する 自分とは違った姿に写る事に心が流れて、何に向かっているのかわからないまま漂流する映像と欲望 自分が素材となり、出てきた映像が自分を表わしているように錯覚し欲望の姿が顕れてくる 写っていないもの、そこにないもの、それとは違うものに変貌し、変容し、崩れてゆくような映像が氾濫し表現の貌をしながら消費されてゆく 自己の存在を他人の杓子にゆだね漂流する人々の群れ そこには、尽きせぬ、充足する事の出来ない肥大化した自己の意識が覆いかぶ

        • 元旦に届いた写真集

          みなさん、良い正月をお過ごしだったでしょうか。 国の内外では、いろいろ大変なことが起きていますが、それぞれの生活はしっかり歩んでゆく事が本当に大切だと思います。 さて、元旦、2024年1月1日に、初詣をして家に帰ると、正月早々、年賀状に続いて荷物が届きました。 中味は写真集でした。 年末に注文したものが、元旦に届きましたので、お年玉をもらったような嬉しい気持ちがしました。 今回の写真集は、私がその写真活動を高く評価している井津さんの「ETERNAL LIGHT」です

        中平卓馬さんとの遠い思い出

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        • 奈良原一高 写真展
          1本

        記事

          「生誕120年 安井仲治-僕の大切な写真」展

          12/16から始まった兵庫県立美術館(神戸)の「生誕120年 安井仲治-僕の大切な写真」展を、開幕日に見てきた。 20年ぶりの大回顧展で、近年ますます、評価が上がってきた戦前の日本の豊かな写真鉱脈が一望できる、本当の意味で重要な写真展だと考えている。 私は、仲治の多くのビンテージを見るのは初めてでもあり、本当に期待しながら出かけたが、期待にそぐわない豊かな世界が広がり、いろいろ考える事、得ることが多かった。 実は、安井仲治のプリントは、たぶん初めて見るような気がするが、

          「生誕120年 安井仲治-僕の大切な写真」展

          Daido Moriyama: Shashin Jidai 1981-1988 森山大道:写真時代 1981-1988

          Daido Moriyama: Shashin Jidai 1981-1988  森山大道:写真時代 1981-1988 ---------------------------------------------------  「写真よさようなら」を出した後の森山さんは、しばらく何もできない時期が続いた。 「写真よさようなら」の本が大学時代に出版された後の空白があった。 思えば、私が高校時代に、時代の寵児のように、VIVOの写真家の後に続く、新世代の写真家として、プロボーク

          Daido Moriyama: Shashin Jidai 1981-1988 森山大道:写真時代 1981-1988

          いい写真とは何だろう?       田村虎之亮写真展「EAST #1 Ostland」

          いい写真とは何だろう? 田村虎之亮写真展「EAST #1 Ostland」 ———————————————— 田村君は数週間前に、日本に帰ったばかりです。 この1年のベラルーシ(本と自由)と数年の東欧の写真展(ギャラリー718)を、広島市内2カ所で同時開催中です。 まず、ギャラリー718「EAST #1 Ostland」に行ってみました。 田村虎之亮写真展「EAST #1 Ostland」 気持ちの良い街中のギャラリーに、ここ数年の東欧の写真が並んでいます。 日

          いい写真とは何だろう?       田村虎之亮写真展「EAST #1 Ostland」

          奈良原一高 写真展 「IKKO'S AMERICA」 

          奈良原一高 写真展 「IKKO'S AMERICA」  奈良原さんのアメリカ。 素晴らしいとしか言いようのないビンテージを含んだプリントが、アメリカの消滅した時間を中心に展示されています。 消滅した時間を、部分的ではなく、ボリューム感ある量で見ることは、ほとんどないことでしょう。 戦後、日本が育んだ写真の巨木の一つの幹を、こうして静かに、心おきなく対面できることは、なんと素晴らしいことでしょう。 本当に素晴らしいものは、幾重にも何層もある重層的な意味、内容、表現を含

          奈良原一高 写真展 「IKKO'S AMERICA」 

          奈良原一高 写真集「ヨーロッパ・静止した時間」

          Where Time Has Stopped 1967年の出版された奈良原一高の最初の写真集にして、最高の評価を得ている写真集が、「ヨロッパ・静止した時間」です。 非常に評価が高く、すばらしい写真集ですが、実際に見る事、手にすることは、ほとんどない、できない、幻の写真集となっています。 しかし、本当に素晴らしい写真集です。 この本の復刊を望む声により、出版社 ‏ : ‎ 復刊ドットコム (2022/10/26)により、この素晴らしい写真集が復刊されました。お値段は、¥16,

          奈良原一高 写真集「ヨーロッパ・静止した時間」

          奈良原一高『王国ーDomains』

          絶版状態が続く奈良原一高の名作が 40年の時を経て蘇る『王国ーDomains』 奈良原一高の写真展 第2作 学生時代に発表した写真展「人間の土地」で一躍、戦後の写真界に鮮烈な登場をした奈良原さんが、2回目の写真展で、北海道のトラピスト男子修道院と和歌山の女子刑務所で撮影した写真で構成された写真展「王国」で、新たな写真界の旗手として不動の地位を20代にして築いた写真展です。 この写真群は、これまで2冊の写真集で出版されました。 ・1971年(中央公論社)  王国 奈良原

          奈良原一高『王国ーDomains』

          東松照明写真集 Chewing Gum and Chocolate 

          Chewing Gum and Chocolate 東松 照明 / Shomei Tomatsu チヤーミングとさえ言える写真 戦後日本の写真家では、もっとも素晴らしい写真家だと、個人的には考えている。 今見てなおその映像の素晴らしさが、私を魅了してやまない。 この本は、2014年に、Apertureから、再構成で出版された写真集だが、1枚1枚に引き込まれる素晴らしい写真で埋め尽くされている。 森山大道氏をして、憧れて憧れ続けた、その写真の力。 いつ、このひとを

          東松照明写真集 Chewing Gum and Chocolate 

          ジェリーウルスマン 「OTHER REALITES」

          ジェリーウルスマン 「OTHER REALITES」

          奈良原一高 写真集 「無国籍地」

          奈良原一高 写真集 「無国籍地」

          新田樹さん「Sakhalin(サハリン)」

          Sakhalin サハリン 三千円です。定価 送料別 素晴らしい本です。 久方ぶりに。新刊を買いましたが、この本は写真集としても、本としても、注目すべき点が、複数あります。 まず、写真集として、素晴らしい出来です。 写真も印刷もレイアウトも、目を見張る部分があります。 次に、これは、写真家自らが、制作し、出版した本で、費用の点でも、レイアウトなどの点でも、優れています。 この本の出版は、なんと、あのネット印刷のグラフィックです。 私も、写真展のチラシやボストカ

          新田樹さん「Sakhalin(サハリン)」

          深瀬昌久さんの東京都写真美術館で行われている回顧展のカタログです。(たぶん)よくできている感じで、ポケット版でいい感じのような気がします。

          深瀬昌久さんの東京都写真美術館で行われている回顧展のカタログです。(たぶん)よくできている感じで、ポケット版でいい感じのような気がします。

          「鬼海弘雄写真集 東京迷路」

          「鬼海弘雄写真集 東京迷路」