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仕事を辞めるのを止めた話

これはアラサーも後半になった独身女が、10年続けた会社を辞めようと思い行動した結果、辞めるのを止めた話である。


そうだ、仕事を辞めよう

5月のある日。
職場の会議に参加した私は、ずっと苦手意識を抱いている仕事が増え、それが評価基準になることを感じた。
その後、上席との会話で決意した。
「そうだ、仕事を辞めよう」と。
これまでも「辞めたいなー」と思ったことはたくさんある。
周りに手取りを伝えると非常に憐れまれて、転職を勧められた、とか。
最近でいえば、私より偉い立場の人が転勤してきたため、私についていた手当がなくなった、とか。
その上、その人があまりにもできないためこちらの仕事が増えた、とか。
そんなことがあっても、行動に移したことはなかったのに。
いきなり問いかけられた気がした。
生き方は変えられないと思った。
その日から、私の初めての転職活動は始まった。


茨の道

転職サイトの担当の方と電話でお話しをした。
事務職希望、年齢、資格がない、これらのことを踏まえるととても厳しい道のりになると伺った。
「10社エントリーして1社通るぐらいの確率です。」とおっしゃっていた。
全員がそういう茨の道を経て、転職活動を成功させているらしい。
それにしても「資格がない」と言われたことはショックだった。
この10年、資格はたくさん取ってきた。
国家資格と言われているものも取っている。
しかし、それはあくまで会社内、同じ業界で活かせる資格なだけだった。
なんだかこれまでの10年が否定されたようで悲しくなった。
正直、転職活動というものにひるんだ。
とはいえ、仕事は辞めたい。
仕事中に何か起こっても「どうせ辞めるんだから!」がモチベーションになっていたからだ。
担当の方の言う通り、たくさんエントリーをする日々が始まった。


面接したくない

気になったところにエントリーをする日々が始まった。
写真が必要と言われ、私服のジャケットと制服のワイシャツを着て、慌てて証明写真機に向かったり、転職理由や志望動機が必要と言われ、慌てて考える日々だった。
6月に入ると、書類選考を通過し、面接に進める会社が数社出てきた。
10社応募して1社通過する話が嘘じゃないことを実感。
在宅ワークではない故、必然的に就業後の面接となるが、オンライン面接のおかげで、日程と時間、服装はなんとかなった。
そこで、一番の問題が発生。
面接で何を話せばいいのか分からないのである。
担当からは、転職サイトに動画があるから見てみてくれ、〇日前なら添削する、という話だけ。
改めて求人票をじっくり読む。
「………ここに転職したくない」と思ってしまった。
さて困った。
それでも転職サイトから面接日程決定の催促はやってくる。
お手上げになった私は、正直に担当の方に伝えた。
「今度からはちゃんと読んでエントリーしてください」
「今回のは練習だと思って受けてみてください」
ま、まじか…受けなきゃいけないんだ…。


今更

その面接は、志望動機だけふわっと考えて、終わらせた。
聞かれたことに答えながら、求めている人材と違うエピソードを話しているな、と思っていたので、当たり前に、お見送りされた。
この件で気付いたことがある。
それまで、担当の方に言われて素直にエントリー"だけ”していた。
志望動機を持ってエントリーしないといけないし、転職理由も語れるようにならないといけないし、自分の強みも認識しておかなくてはいけない、という当たり前なことに今更気付いた。
私は転職活動を始めて1ヶ月半。
初めて自己分析などを始めた。


メリットデメリット

あれから数社、面接を受けた。
自分の強みなどを理解し始め、会社によって自分のエピソードの使い分けができるようになった。
しかし、面接をすればするほど、「転職したいのか?」という疑問が自分の中に膨れ上がってくるのを感じていた。
2次面接のご案内がきても喜べない始末だ。
頭の中を整理しようと書き始めた、転職をするメリットデメリット、現職を続けるメリットデメリットも、転職をするメリットが多かった最初に比べ、現職を続けるメリットのほうが多くなっていた。
他の転職サイトにも登録し、転職希望度をチェックする心理テストのようなものの結果が、転職オススメ度が20%だったりもした。


そうだ、辞めるのを止めよう

7月のある日、「爆発した」と言われるぐらいの勢いで、転職活動のきっかけの1つとなった人に対して、"期限は守りましょう"という低レベルな内容を詰めた。
上席からは「どんどん詰めていい」「一線を越えたら止めるから」と言われた。
この件がきっかけで、思考が冷静になった。
転職理由を再度考えると、"〇〇がやりたいから”という理由は一切なく、"〇〇が嫌だから”という理由しかなかった。
やりたいことは、現職で叶えたいことばかりだった。
得意だと思っていたことは、今までやってきた大きな得意の中の1つだと気づいた。
私には1つの業務だけを淡々とやり続けることが難しい、と過去の職務経験から悟った。
今までと同じお給料を頂くためには、通勤時間が倍以上増えることを知った。
それに加えて、残業が増えることでお給料が増えることを知った。
私にはそれは無理だと思った。
だったら、現職を続けて自由な時間を確保できるほうがよっぽどいい、と。
これらのことから結論に至った。
そうだ、辞めるのを止めよう、と。


これから

この3ヶ月で得たことはたくさんあった。

あんな数年前までは頑張りたいと思っていた現職を、なぜこんなにも頑張れなくなったのか。
それは、憧れだけで夢が見れたからだった。
この人みたいになりたい、という憧れの人が、異動の度に現れていた。
でも、そんな人に頼って夢を見るような期間はとっくに終わっていて、もう戻れないことにも気付けたことはとても大きかった。
自分のものさしで夢を見つけていきたい。

社会人的によくないことだと思うが、「爆発した」と言われるぐらいの勢いで、感情を露わにできたことも大きかった。
10年も続けてきた会社です。
あとは上手くやりたい様にやるだけではないのか、と自分に対して思えたことも大きかった。

これからの目標は、持っていればもっと転職活動の幅が広がったのではないか、と思った資格の取得。
簿記3級、2級、TOEIC600点以上、会社で取得を命じられたけど無視していた資格。
あと、平日にプライベートを充実させる力を余らせること。
仕事しかできないと思っていた平日に、転職活動という大きな力を必要とする活動が出来たことは、私の大きな収穫だった。
土日しか自分の時間は充実させられないと思っていたが、臆せず平日も自分の時間を充実させていきたい。


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