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お酒は25歳になってから広瀬すずのプレミアムモルツ

広瀬すず、酒類のCM初登場


この7月、本格的な夏の暑さが列島を覆ったのに合わせるかのように、サントリー ザ・プレミアム・モルツの広告に女優の広瀬すずが起用された。

そして、次の感慨がやってきた。

「そうか、広瀬すずも25か」

広瀬すずは1998年6月19日生まれ。
プレミアムモルツのCM放映は7月10日から。まるで広瀬すずが25歳になるのを待ち構えていたかのようなタイミングだ。

お酒は二十歳になってから、だが、
CMへの出演はさらにプラス5歳、
二十五歳になるのを待たなければならない。

2016年に業界団体(酒類の広告審査委員会)が自主的にガイドラインを策定し、20歳未満の飲酒防止のため、酒類のCMへの出演は25歳以上の俳優・タレントに限られることになったためだ。

このため近年の俳優・タレントの酒類CM初出演のタイミングは、見事にこの規定に則っている。
女性タレントについて挙げると、それぞれ初出演は以下のようになる。

白石麻衣 キリン氷結 2018年25歳
西野七瀬 アサヒ ザ・リッチ 2020年26歳
川口春奈 サントリー ブルー 2020年25歳
中条あやみ キリン一番搾り 2022年25歳
今田美桜 キリンウイスキー陸 2022年25歳
黒島結菜 サントリービアボール2022年25歳
芳根京子 アサヒ生〈マルエフ〉2023年25歳
上白石萌音 サントリー生ビール2023年25歳


こうして数えてみると、なかなかに壮観である。皆、判で押したように25歳になって初出演を果たしている。

企業側としてはいち早く旬の若手俳優を起用したいし、タレント側としても酒類CMに出演することで「大人になった」ことを世間にアピールすることができるメリットがある。

それにしても、今回の広瀬すずに限らず、25歳のタイミングでの初出演のケースが多いことがわかる。

一度こうした指針を決めたのであれば、それを遵守するのは当然だし、とくに窮屈な規定であるとも思わない。

なお、酒類のCMには他にも規定があり、CMが放映できるのは18時~翌5時の間と定まっている。確かに、昼間にビールやチューハイのCMを見ることはない。

印象深いCM 堀北真希・新垣結衣


25歳以上、という決まりは2016年7月1日に発令された基準なので、以前はその限りではない。
二十歳を過ぎたばかりのタレント、俳優が酒類のCMに起用されることもあった。

堀北真希 サントリーチューハイ ほろよい


2009年、前年に二十歳になったばかりの堀北真希が、サントリーチューハイ〈ほろよい〉のCMに出演した。
〈ほろよい〉はアルコール度数3%。酒に慣れない女性でも甘みのある低度数のチューハイで、グレープ、もも、梅酒ソーダなど様々なラインナップがある。

「若い女性にも、帰宅後に気軽にお酒を楽しんでもらいたい」、そんな広告戦略が透けて見えるような起用だった。

堀北真希と〈ほろよい〉との関係は長く、2015年までの6年間にわたり広告に出演することになった。


新垣結衣 アサヒ生ビール〈マルエフ〉


記憶に新しいのは、2021年9月から放映されたアサヒ生ビール〈マルエフ〉の新垣結衣。
5月に星野源との結婚を発表して世間に驚かせたが、意外にも当時33歳のガッキーはこれが初の酒類CM出演となった

アサヒとしては長年の看板ブランドである〈アサヒスーパードライ〉に加えて、もう一つビール事業に柱が欲しい。
そのために、満を持してのガッキーの起用というように思えた。
※新垣結衣はアサヒ飲料の〈十六茶〉〈三ツ矢サイダー〉CMに出演経験がありアサヒグループとはつながりが深い。

わずか1年半の出演期間で、芳根京子・松下洸平にあとを譲ってしまったが、ガッキーによる安心感のある「おつかれ生です」のフレーズは強いインパクトを残した。


おわりに


以上取り上げてきたように、若手俳優・タレントと酒類のCMとは切っても切れないものではあるが、それにしても、広瀬すず。酒類CMデビューがプレミアムモルツとは、大したものだ。

プレミアムモルツは2003年に本格的に登場して以来、長らく矢沢永吉がCMキャラクターを務めていた。
「プレモル」は高価格帯のプレミアムビールであり、「大人のビール」という印象が強い。

それを単独で、CMのトップを飾るだけのインパクトがある。
つまり日本にとって広瀬すずは、それだけの女優(俳優)なんだ。
広告の素晴らしさとともに、そんな実感が湧いてくるCMだった。


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