被災地7

「御手の中で」〜とある老司祭の生涯‥12

〈2011年3月の終わり、西日本のとある市で一人“孤独死”を遂げていた実在した老司祭が書き残していた回顧録を基に、イメージを膨らませたフィクションである小説。その連載12回目です。気がつくとなぜか、東日本大震災の直後と思われる東北の被災地におり、そこで一人の女性と出会った司祭が、さらに津波によって泥に埋まってしまった青年を見つけ、なんとか助け出そうとする展開。ここではその泥の中にいる彼の回想シーンが続きます〉

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