もしもの話

毎回、ふとした拍子に考えることがある。「もしここで違う選択をしたらどうなるのか」。私がそれを選んだら。もしくは、選ばなかったら。ひとつの行動で全てが変わっていたかもしれないと考えるとちょっと怖くなる時がある。

昨日。いつも通りに迎えた通院日で、いつも通りの時間に家を出て、いつも通りの道順で病院に行った。唯一違ったのは病院が終わったあとのことで、お昼ご飯にどの店に行くかをその場では決めずに車に乗った。適当に囲碁の基盤みたいな道を行ったり来たり戻ったりしてたら、ついさっき通った道で車が2台事故を起こしていた。1台は側面が地面についてしまうくらい大きく倒れていて、もう1台は全面がペシャンコだった。たった15分そこらの間に、1度通ったはずの道で事故が起きたという事実がなんとなく怖かった。

もしそれが起きたのが私達が通ったタイミングだったらどうなっていたんだろう。私が病院で行き先を考えて、時間を遅らせたばかりにそのタイミングと重なっていたら?そんなことを考えたら無性に怖くなって、消防車だとかパトカーだとか救急車だとかが回していた赤色灯から目を逸らした。隣で「巻き込まれなくて良かったよね」なんて他人事を呟いていた母親には共感せざるを得なかった。誰かが怪我をしているかもしれないのに、私の頭はそのもしかするかもしれない人への配慮はなかった。それ以上考えたくなくてその場ではそうしたけれど、今となって「怪我をした人はいなかったのかな」なんて偽善的な心配が出てきている。でも、そう思ったところで私には何もできないから何となくモヤモヤした気持ちを抱えて文字を残している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?