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人生はやり直せない

こんばんは。今日(11月16日)NHKで放送していた『ゲームゲノム』のテーマは『ライフイズストレンジ』でした。

私はこのゲームを自分でプレイしたことはなくて、1を実況で見たことがあるだけです。(よく考えるとあんまりアドベンチャーゲームを普段しないかも)この作品のようにバタフライエフェクトをテーマにしたゲームはいくつかあり、何本か見たことがあるのですが、ライフイズストレンジは私にとって飛び抜けて心に突き刺さる作品でした。今日は初めて本作を見終えたときの衝撃を書き出してみようかと思います。

※本編感想も含むためネタバレががっつりあります。さらにプレイ感想ではなく、視聴感想になります。ご自衛お願いします。


気に入らなければロードする

このゲームは主人公マックスの時を巻き戻す能力を駆使して、大小様々な選択からプレイヤーが望む結果を導き出すというゲームです。この『巻き戻してやりなおすこと』はゲームプレイヤーならおなじみの行為で、番組中にクリエイターさんも言っていたのですが、私達ゲームをする人間のおそらくほとんどが、プレイ中に何か自分の都合の悪いことが起きた際、ロードしてやり直す=前の時点に巻き戻してやり直すということをしたことがあるのではないでしょうか。バトルで負けた時、何か貴重なアイテムを失った時、つい操作ミスをしてしまった時、最初にランダムで与えられる環境が気に入らなかった時などなど……たくさんのシチュエーションがあると思います。

かくいう私ももちろんやり直しはたくさんしていて、1番よくやったなと記憶しているのは『ポケモンカードGB』。バトル直前に必ずセーブしておいて、最初に配られた手札が良くなかったり、こちらの敗北が決定した時点でゲームボーイを再起動していました。本体再起動ならまだマシで、ゲームボーイって少し衝撃があるとソフトのみ再起動されちゃうのですが、それを利用してちょっとゲーム機を殴ってました……。今思えばゲーム機への負荷がすごかったと思います…悪ガキめ………。(でもまだ元気に動く)

ゲーム会社にもこのやり直し行為は当然周知されており、『どうぶつの森』のゲーム中でリセット行為に説教をかますリセットさんの存在はロードをくり返すプレイヤーには衝撃的だったと思います。他にもちょっと系統は違いますが最近の『ポケットモンスター』シリーズでは、ゲーム機本体の時間操作に対するペナルティも見かけるようになりました。これらはいずれも安易にゲームシステムをメタ的に操作しようとするプレイヤーへの警告ともとれます。そんな中での本作のやり直し機能はなかなか面白いシステムだなと思いました。

ライフイズストレンジの選択は難しい

ライフイズストレンジのプレイを見ていると、選択肢に「さすがにこれはないでしょう」と思ってしまうようなものが含まれることもあります。そう思って別の方を選択すると意外と結果が良くなかったりすることも珍しくありません。じゃぁ「逆にあえてこっち!」と選んだときに限ってそんなことしたらそうなるだろ!と言わんばかりのろくでもない結果になることも。

さらに、選択次第では『ある人物の好感度は上がるがストーリー的には良くない』とか『倫理的に良くないけど特別なイベントが見られる』といったようにある事にとってはプラスだけど他のある事にとってはマイナスになる選択肢が非常に多く、それが選択後すぐに結果がわかるものは巻き戻すことができますが、チャプターを挟んで結果がわかるものにはどうにもできません。人生には取捨選択がたくさんあって、全てを得ることはできない。ということを思い知らされたようでした。

また、テーマとなっているバタフライエフェクトは『ブラジルの蝶のはばたきがテキサスで竜巻を起こすか』という講演が語源らしいのですが、何も考えずに選んだ小さな小さな選択がのちの大きな結果に繋がるかもしれない……なんてこと理屈はわかっても対策しようがありません。ブラジルの人がテキサスで竜巻が起きるから蝶がはばたかないようにするのと同じくらい難しいと思います。

私にとってハッピーエンドではなかった

簡単にストーリーをまとめます。
(うろ覚えです。ご了承下さい。)

ある日マックスは学校のトイレで殺傷事件を目撃してしまい、そこで初めて巻き戻す能力を使用します。後に命を救ったその被害者がかつての幼馴染のクロエだったことが判明、クロエは学校で起きている女子生徒行方不明事件を追っており、マックスはクロエに協力して事件を調べることとなります。マックスの巻き戻す能力を多用しながら事件は真相へと向かっていくのですが、物語は学校内の規模から大陸規模へと大きく広がります。大災害を起こしてしまうほどの嵐がマックス達の住む街へと近づいていたのです。実はその嵐はこれまでマックスが時を巻き戻し時間を狂わせたことにより発生したものでした。この嵐を治めるためには時を巻き戻さなかった世界線にしないといけません。そのためにマックスは最初に能力を使った瞬間まで最後の巻き戻しを行います。そして時を巻き戻さない時間、クロエを殺傷事件で失う本来の人生を送ることを決心し、街が嵐に見舞われることは無くなりました。

もうこれ私が1番メンタルやられる『世界は平和になったけど主人公は幸せにはなりませんでした』パターン。それはそれは大号泣でした。何がつらいかというと、マックスは一番最初にトイレで襲われていた被害者をクロエとは認識していなかったんです。そのあと巻き戻してクロエが生きる世界線になって初めて再会できて、二人で一緒に調査していくうちに親友と呼べるほどの大切な存在になって、ゲーム本編でプレイヤーにとっても大きな存在になってから最後にクロエを見殺しにする結末を迎えさせるという。なんと残酷なゲームか。

終盤クロエはマックスの能力をちゃんと信じて理解していて、嵐の原因がマックスの能力であること、その嵐の発端となってしまったのが自分の生存であることをすべて納得してマックスにあるべき本来の時間軸に戻すように説得するんです。マックスもつらいしクロエもつらいしプレイヤーもつらい!!!私も今打っててつらい!!

人生はやり直せない、取捨選択の連続で、それにより生じた結末に納得して生きていくしかない。それは真理だと思います。でもそれなら超能力与えないでくれよぉぉぉ!!って私は言いたくなってしまいます。超能力のおかげで実は身近にいた幼馴染の存在や、学校で起きていた行方不明事件の真相を知ることもできました。それは超能力があったから得られたものだとはわかっています。でも知らない幸せっていうのもあるとは思うんですよね……。どっちがいいかっていうのはおそらく結論は出せないんでしょうけど。


そんな感じでモヤモヤシクシクしながら実況動画を見終えたのでした。自分でやってなくてこのモヤつきだったらプレイしたらものすごいことになりそうです。とても練られたふかーーーいストーリーで、思わず続きが気になって食い入るように見ていました。心に良くも悪くもずっしり残るゲームって本当に神ゲーだと思います。

ライフイズストレンジ、忘れられない作品です。



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