3.1 起:物語の方向性についての提示
それでは、修正する部分のみピックアップしながら見ていきましょう。
【1】
ここの導入は、[彼女]視点での物語の始まりと終わりを描くことにしましょう。
①夢の中で[共通しない選択肢]を見てしまうこと、②夢と現実との差を見て違和感を抱いてしまうこと、③それらの積み重ねで世界から外れていくような気がすること、④[僕]との会話によりひとりぼっちを回避できるかもしれないという期待を、それぞれ言葉にしていきます。似た表現をするときも、同じフレーズや漢字が重ならないように注意します。同時に、性別を限定しないように調整しましょう。後から読んだときに、「彼女の言葉だったのか」と思ってもらえるようにしたいです。
この「宙を舞う塵」の描写も手を加えるとくどくなってしまいそうなので、このままにしておきましょう。
【2】
やはり少し気になるので彼女の描写は直しましょう。「綺麗で優等生で高嶺の花だけど、接しやすいし雰囲気も柔らかい人」と言うことを書きたいです。
【3】
文の流れがしっくりこないので調整します。
「~けれど」と「~けど」のように似た言葉が重なっているため、微調整します。
この時点で[彼女]はすでに[僕]が話をするために教室に残ってくれることは分かっているため、「僕がそのまま帰ると思っていたようで」という表記は不適です。そのままセリフに入る前にもう少し地の文を入れておきたいので、もう少し文章を追加します。「慣れない出来事やリアクションに対する歪な対応」と言うニュアンスを加えたいです。
[彼女]が[僕]をお話しに誘う際、椅子を引き出すために立ち上がるのは少し身体の動きとして遠くなってしまうかな、と思うので細部を修正していきましょう。その後も、同じ席に座ることが分かるように調整します。
[僕]の[彼女]への呼び方を修正します。
この文章の意図がわからないので修正します。[彼女]が思考をしている間の時間を表現しつつ、普段は見られないその姿をありがたがる[僕]という構図にしましょうか。
いくら緊張するとはいえ、ずっとつっかえるのも文章としては合わないように思うので普通に話してもらいます。
「視点」と言う単語が重なってしまっているため工夫しましょう。ここで示したいのは「自分に見えてないところはやっぱり自分の世界とは感じられない」「見られている部分も世界に含めるのは大きく括りすぎているのでは?」の2点です。その後も「神様」が何度も出ているため併せて修正していきます。今回のお話ではこの「神様」はあまり重要ではないため、別の内容に置き換えた方がいいかもしれませんね。次のステップに繋がるように上手く調整していきます。
文章の流れとリズムが整うように調整していきます。
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