想像の後半戦は「どこか遠くに行ってしまうのではないか」に繋げていきましょう。教室に近づいているという描写も挟みます。
直接教室に行くのでは面白みがないのと驚きが少ないので(何より急ぎ過ぎ)、他のクラスの様子を見つつうろうろしてると「自分たちのクラスから彼女の声が聞こえる」というところに繋げていこうと思います。
教室の描写が思ったよりも長くなってしまいましたが、まだ書けていない想像の後半戦をここに入れます。
想定していたところまでは書けたので、あとは彼女の声を聞いて、教室から出ていく影(=自分自身)を見て、教室の中を見ようとしたら光に邪魔をされて──目が覚めるところまで書いていきます。
とはいえ、最初に提示した[僕]なりの[世界]への認識についてはまだちゃんとは書けていないので、どうにかしてねじ込みたいですね。
夢から覚めるまでを書く前に、思考の整理を少しだけ書きます。【承】で得た感覚も交えながら、[僕]の立ち位置を確定させます。
『重なり合う』ことが正しいと考えていた[僕]ですが、だんだんと彼女と同じ『独立している』ことが正しいように感じてきています。ただの推測ではなく、実感に基づくものなのでよりそう思えたのでしょう。
この辺は少しふわふわしてしまったので、推敲の際に全体を見ながら必要に応じて調整していきましょう。
さて、夢の中では最後のパートです。先ほど組み立てた内容に従って書いていきます。
このまま隣の教室に駆け込みそうだったので、用心深く廊下を見まわす程度にとどめました。ここで安心した後に、彼女のセリフが入ります。
緊張して考えがまとまらない感じと、短い時間のはずなのにゆっくりになる感じを表現するために改行を多めにしています。これまでの地の文の長さとまとまり具合との対比になってたらいいですね。
【起】のフレーズをそのまま使いながら再現していきます。「胸のうち」を漢字にするにあたって「裡」という言葉を使おうと思ったのですが、裏側という意味が強く、彼女の内側に溜め込まれた(燻っている)感情という情報をうまく入れられない気がしたので見送りました。寂しいという単語も短い間隔で続いているので、それもなんとか解消したいです。
夢として再生しているのもあり、全く同じ展開にはならないはずなので細かい部分は改変していきます。
同時に同じ人間が存在できないからというわけではなく、その世界では正しいものではないからという理由で黒いモヤになっています。あとは、[僕]自身があまり自分のことを客観的に見たことがなかったせいもあるのでしょう。認識にかなりの制限がかかっているように思えます。
さて、記憶とは異なり彼女の問いかけには応じず出ていってしまった[僕]。その後の彼女の様子と、夢から覚めるまでの経緯を書いていきます。
助けなくちゃいけない、と気持ちが急いてしまっています。[僕]はそんなことができる人間ではないのに。でもあまり人と関らず自分を卑下していた人がこんなにも向き合えるようになるんですね。ほとんど一方的な気持ちですが。
この夢の中の彼女は[本来選択されていた事象]の存在(認識はしていないただの存在)のため、認識の有無に限らず[それ以外の事象]のものは正しくないためモヤがかかってしまいます。彼女から見た今の[僕]は、まさにその状態なのでしょう。
([僕]が彼女のことを正しく認識できているのは、今の[僕]が[選択されなかった事象]出身の存在であり、かつ認識の強度が低いためその本質はまだ確定しておらず、[選択された正史の事象]の属性も持っているからです。ややこしいですね)
彼女の様子は書けたので後は夢から覚めるだけです。
この時彼女に会えなかったのは、世界が分岐して彼女が属する世界が孤立してしまったからです。[僕]はどちらの性質も持っていますが、この段階ではまだ[正史]の特性が強いため、彼女の認識により分かれた方の世界のことはうまく認識することはできません。
筋が通らないようなチグハグなことが起こるのは、ここが夢の中だからです。どちらの事象も重なって混ざり合っているため、より分かりにくくなっています。
ひとまずこのあと何が起きてしまうかの前振りはできました。
文字数はここまでで約4,300文字と想定の半分以上となってしまいました。駆け足にならないように気をつけつつ、残りの分を書いていきます。(参考:各セクション1,000字程度)
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