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やりたいことを最後までやらせる理由


彼女は普通に産まれて普通に生活をするのかと思った。
誕生して数時間後に先生から「今からNICUに運びます。バイタルが危なくもしかしたら今日のうちに亡くなります。」
と言われた。

「せめてお母さんと、お父さんの戸籍に入れてから…」
と言われて先生は急いで出生届の書類を出せるように書いてくれた
そして祖父と主人に電話をして来てもらって祖父が受け取り
バイクで朝一に受け取り市役所へ出してくれた。

24時間でなくなると言われた彼女が1歳になり、2歳になり…
13歳まで生きてくれた。
また有料の記事で書いてあるのだがもしかしたら短命になってしまう。
引き金が発生して亡くなる。(今年だけでも命の危険が3回だった)
「好きな事をやらせよう」
と私は彼女の人生を応援している。

彼女はお腹の中からハイリスクがあり
私と一緒に母子集中治療室へずーっと入院していた。
自分の血圧も200近くあり、いざ産むとなると
踏ん張ったときに脳内出血でそのまま死亡になるので
帝王切開は決まっていた。
胎盤が想像以上に小さいので、育ちも悪く、後に分かった事だがどうしても目の神経までうまく育たなかった。
それを知ったのは1歳だった
「目がほどんど見えてないですね」
衝撃だった。
両目が見えてない。
色々な眼科を探して…手術を何回も繰り返ししてよやく目が見えるようになった。

眼の見えない時期が長かったからなのか
代わりに神様はとびっきりの耳と記憶力を与えてくれた。
その耳と記憶力が今凄い役に立っている。

あの時亡くならないで本当によかった。
丁度「銭ゲバ」を見ていて「お腹すいたなー」と悩んでいた時
先生が表れて「NICUに入院する。今全力で治療法を探している。」
「もしかしたら数時間の命なので会いに行ってあげてください。」

NICUの中に入っていろいろな管に繋がっている娘を見て
「生きているだけで十分だから頑張って」
と神様にお願いしたけど…

人間は欲望が高い人間で
「生きているだけでは十分ではなく」
「お願いだから勉強して」
「フルート奏者になりたくないのー!」
「ここの音楽高校へ行くんでしょー」
と毎日怒っている。



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