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アムステルダムライトフェスティバル2018

アムステルダムライトフェスティバルの概要 
 12月中旬から1月中旬までアムステルダムではライトフェスティバルが行われる。このフェスティバルは2012年から開催されており世界各国のアーティストが運河沿いに光のアートを製作する。
 本年のライトフェスティバルは2017年の11月30日から2018年の1月21日まで53日間に渡って開催された。イルミネーションの点灯は毎日17:00から23:00まで(大晦日は20:00まで)。フェスティバルの開催会場は”Water colors”と呼ばれる水辺の展示と”Illuminade”と呼ばれる陸の展示の二つに分かれる。 本年のIlluminadeはアムステルダム中央駅から歩いて行ける距離にあるMarineterrein Amsterdamと呼ばれる開発地区で展示された。
 12月14日から1月7日まで15の光のインスタレーションがこの歴史地区に展示された。この陸の展示は17:00から22:00まで無料で見ることができる。
 その他、本年はEYE Filmmuseumの建築壁面に3Dプロジェクションマッピングが1月14日から2月9日まで毎日行われた。時間は朝7:00から8:30までのウィークデイと18:00から23:00までの夜である。
 こちらのプロジェクションマッピングもプロのビデオアーティストによる国際コンペで選出される。イベントオーガナイザーのISE(Inregrated Systems Europe)とRAI Amsterdamとコラボレーションすることになる。

ライトフェスティバルのシステム
 ライトフェスティバルはアーティスト、建築家、デザイナーなどに公開募集され、そこからセレクトされたアイデアを実際に展示するというシステムになっている。昨年の2017年度は1800以上のアーティストが関心を示し、実際に45カ国から900の応募があった。その中から35作品が実際に展示された。
 全世界に渡って3月まで作品公募し、審議員が審査する。本年度は芸術ディレクターにLennart Booijが起用され、93カ国から寄せられた1800のアーティストの応募の中で40のコンセプトを選出した。運営ディレクターにはFrédérique ter Bruggeが起用された。
 このライトフェスティバルは船会社、ホテル、レストラン、財団と教育団体のパートナーシップによって行われる。そしてこのフェスティバルは行政の文化セクターと企業によるパブリックプライベートパートナーシップで委員会を結成して行われている。企業や財団からの協賛に加えて、ブックレット(7.5ユーロ)、地図(3ユーロ)などの販売収益もフェスティバルの運営費用の一部へ充てられる。

ライトアートとは
 ライトアート自体は比較的新しい芸術表現の形態である。1960年代にロバート・アーウィンやジェームズ・タレル、ダン・フラビンなどのカリフォルニアのアーティストたちが抽象絵画から知覚経験の芸術へと表現手法を変えていった中で生まれてきた。それらがLEDの出現とともにさらに発展した。
 これまでに200以上の光のインスタレーションが行われているアムステルダムのライトフェスティバルは、ヨーロッパの中でも最も大きな光のフェスティバルになりつつある。
 このフェスティバルは暗い冬の時期に人々を集客する効果とともに、クリエイターや開催パートナーを巻き込む役割も担っている。
 


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