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[フライト日記] ありがとうの威力

道端のクロッカスの花が咲き始め、春の予感を感じながらもダウンジャケット着て子供の朝の送り作業します、さやです。

書こうと思いながらも今月末、来月初めには年に一度のエキサイティングイベント、「リカレント」(乗務資格のための年に一度のテスト)があるのです!
たかだか10年ほどしか飛んでいませんが、時代の流れを感じ、入社当初は筆記テストだったリカレントも今や、テスト1日目はオンライン(在宅)、2日目は訓練センターに出向きますが、テストはQRコードで読み取ってiPadで行います。選択問題になったのはいいものの、読み間違いやクリックミスなど気をつけなければなりません(ストレスー!)

さて前置きが長くなりましたが、ここ最近北アメリカ大陸ばかりを飛んでいます。
まだめちゃくちゃ寒い-17度のカルガリー(カナダ)!そして前回は昼間の気温30度のメキシコシティ!
メキシコに向かう機内はメキシコ人の観光客(ヨーロッパ周遊した)でいっぱいでした。ツアーガイドさんは英語が話せるもののほとんどの方がお年を召していて英語はほぼ皆無。こちらもスペイン語はほぼ無。
だけどお構いなしでいっぱい話かけてくる(要求してくる)、そしてフライト自体が遅延したもんだから質問なんかも加わるしでてんやわんや、非常に忙しい(体力的にも精神的にも)フライトでした。

通じてないのはわかっているけど、とりあえず負けじとしゃべる。スペイン語で(おそらく)「パンくれーパンくれー」言ってくるおじいちゃんには
「ちょいとお待ちあれー!今持ってくるから!私身体は2個ないし、今新しいあったかいの持ってくるから、ちょいとお待ちよ!」(気分的にはこんな感じで言ってる)と伝えると、多分なんか感じてる、伝わってる....気がする。その後もコーヒーくれ、コーラくれ、ブランケットくれ、チョコくれ、くれくれ攻撃に網戦しました。笑

そして遅延含め13時間のフライトを終え、オランダ時間ではまもなく朝3時になろうかというところ、到着体制に入りました。シートベルト着用サインが点灯し、自分の担当エリアを見回りに行きます。

するとどうでしょう。いつものフライトと違う出来事が起こりました。
シートベルト確認なので各列、短い間ではありますが立ち止まって確認します。するとこのおじいちゃんおばあちゃんたちが各々私の目を見て、時には手を握って
「Gracias!」「señora, mucho gracias」「(慣れない英語で) thank uou very much」信じられませんが全員がおじいちゃん各々言ってくださいました。

「one more time! one more time!fly fly」と言ってくれたおばあさんがいたんですが
きっと「また絶対おたくの飛行機で飛ぶわー」「またあなたと飛びたいわー」という意味だったんだと受け取りました。
どんなに疲れてても、半分寝かけそうになってたとしても、長いフライトでもこの「ありがとう」攻撃に目が熱くなり、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
こんな嬉しいことってないよなーと思いながら、無事着陸し、みなさんを見送ってフライト終了。
心地いい疲労感の残るフライトとなりました。
以前「CAは夢の仕事?」という記事をあげましたが、
こういう出来事があり、確実に嫌なことよりも嬉しいことが多いこのお仕事に私は充実感と使命感を感じて11年目を迎えました。
もうすぐテスト...気は重いですが、また新たな楽しい嬉しい出会いのために頑張ろうと思います。

しばらくテスト勉強と通常のフライト業務があるので更新頻度はさらに落ちてしまうしれませんが、ちょっとお待ちあれー!
しばらくご辛抱、お待ちください😊

それでは、また!Doei!

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